107.簡易調製低コスト人工飼料「ペレット飼料」(1991)

柳川弘明、堀江保宏、伊藤祐英「広食性蚕の人工飼料」(特許出願:1991年3月、特許登録:20845121996年8月23日)

1.本発明は、広食性蚕の食性を利用して人工飼料に桑葉粉末とゲル化剤を全く添することなく飼料の低コスト化および飼育の安定化をはかると共に、飼料調製センター等からの飼料の供給を受けることなく、各飼育所で適宜調製することの出来る食性の良い人工飼料を得ることを目的とする。

2.桑葉粉末およびゲル化剤を添加しない脱脂大豆粉末,トウモロコシ粉末,脱脂米糠及び菜種カス等の安価飼料素材を空隙率30%〜70%の有孔ペレット状とした。

3.ペレットの調製法:澱粉および植物性蛋白を多く含む原料を、エクストルーダーにより加圧加熱混練すると、澱粉はα化し、植物性蛋白は組織化する。その生地をダイ部で成形し、大気中に放出すると、押出し物はダイ部で高圧下から大気圧に減圧されるので原料内部の水蒸気が急激に膨張して数倍に膨化する。押出し物の性状は多孔質となり容積を増す。

4.飼料の粉体を二軸エクストルーダー(スクリュー回転数 100rpm ,バレル温度 130℃)へ投入し、圧力10kg/cm2 で原料を加熱,加圧して溶融状態とした。次いで、この溶融状態の原料をエクストルーダーのダイ部から大気中へ押し出して膨化させ、この膨化物をペレタイザーによりカッティングすることにより、30%〜70%の空隙率を有する有孔性ペレット飼料を調製した。上記空隙率は、加圧の程度により任意に変更出来る。圧力を高めれば空隙の大きさを大きく且つ空隙率を大にすることが出来るが、作られたペレットの横断面積も大となる。従って作られたペレットの径を同一にした場合、空隙率或いは空隙の大きさが大なるペレットを得るためにはダイの径を小さくしより高圧を加えることにより行われる。

5.上記飼料は、蚕に供給する前に、一定量の蒸留水中に浸漬し7075%程度の水分率として蚕に供給する。蚕に供給したときに上記空隙率が低いと蚕は飼料を攝食し難く空隙率が高過ぎると浸漬時の水分率が高くなり過ぎて適当でない。

※堀江保宏(1991)簡易調製人工飼料の開発.蚕糸科学と技術 30(9)46-49


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