111.自動繭検定システムの確立(1991)

川名 茂(1992)自動繭検定システム.蚕糸昆虫研ニュース No.142

1.繭検定の効率化を図るため、検査工程を自動化、オンライン化した自動繭検定システムを開発した。従来、人手に依存していた選繭秤り分け工程は、繭検定用自動選繭機の開発導入によって自動化を図った。また、接緒計数装置の開発導入によって繰糸工程の簡易化、自動化を推進した。

2.本検定システムは、選繭データを提供する自動選繭機と繰糸データを提供する自動繭質測定機がそれぞれ通信回線によってパソコンと結ばれている。自動選繭機には、繭検定に必要な各種機能、すなわち繰糸供用繭抽出機能、データ出力装置、選除繭計量用電子天秤などが装備されている。

3.自動繭質測定機は、従来の繭検定用繰糸機CTU型機に新しく開発した接緒計数装置を装備したものである。接緒計数装置は解舒率の測定に必要な繭の接緒回数を計数する装置であるが、従来のように単に機械の接緒動作を計数するのではなく、接緒桿によって繭が飛ばされるところをレーザセンサーによってキャッチし、計数するしくみになっている。このため、空接緒を計数することがなく、測定精度はこれまでより格段に良くなっている。また、繰詰残繭数の入力および換算、解舒率の計算表示、データの転送なども行えるようになっている。

4.本検定システムの検査項目は、選除繭歩合、生糸量歩合、解舒率の3項目である。選除繭歩合は自動選繭機によって測定されるが、選除対象となる不良繭は内部汚染繭、玉繭、薄皮繭、浮しわ繭、極小繭の5種類である。従来の手選繭による方法より選除対象は少ないが、この5種類で全選除繭の90%以上を占めている。自勅選繭機で除去できない不良繭、すなわち穴あき繭、はふぬけ繭などは繰糸工程で揚り繭として除かれる。解舒率は自動繭質測定機による操糸成績から求めるが、この繰糸方法は従来法と大分異なる。これまでのように一定繊度の生糸を製造するのではなく、データ採取のみを目的とした連続接緒による高能率な繰糸を行う。生成量歩合は選繭データと繰糸データに基づき計算される。両データは現場からパソコンヘ転送され、データディスクヘ収納される。

5.検定成績の計算やプリントアウトは必要データが揃えば即座に行うことができる。また、検査業務の進行状況もパソコンのモニター画面を見れば、検定番号何番のものがどの工程まで進んでいるか、一目で分るようになっている。

6.本システムを導入した新しい繭検定方法が平成5年度より実施される予定である。


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