113.吸汁性昆虫ハゴロモによる萎縮病クワ師管液の採取とMLO粒子の検出(1991)

川北 弘、且原真木(1993)萎縮病クワから師管液の採取並びにMLOの検出.日本蚕糸学雑誌 62(2)125-131

1.マイコプラズマ様微生物(MLO)は植物の師部で増殖するので、罹病植物の師管液を採取すれば、MLOの分離、諸特性の解明、MLO病の診断および防除技術の開発に役立つ。そこで、罹病クワから吸汁性昆虫を用いて師管液を採取し、師管液に含まれるMLOを検出する手法を開発した。

2.師管液の採取は、師管に口針を刺入し、吸汁中の昆虫口針をレーザー光線(発振機はNEC製のSL129Nd)で切断し、その断面から流出する液をガラスキャピラリーで採集する方法で行った。

3.その結果、ベッコウハゴロモによって師管液の採取に成功したがヨコバイ類、カメムシ類では困難であった。切断された口針を走査電顕で観察すると、ベッコウハゴロモの口針はしっかり植物体に突き刺った状態であるが、ヨコバイは分離、あるいは脱落が見られ、両者には構造の異なることが分かった。カメムシ類では師管吸汁を確認できなかった。

4.MLODNAと結合して発色する蛍光色素(DAPI)により、萎縮病クワの師管液を染色し、蛍光顕微鏡で観察したところ、健全クワの師管液では見られない多数の蛍光粒子が検出された。


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