118.回転培養方式による昆虫細胞の大量培養(1991)

今西重雄、富田秀一郎、中尾 肇(1996)鱗翅目昆虫の浮遊性培養細胞の高密度大量培養について.日本蚕糸学雑誌 65(1)7-12

1.浮遊性の特性を特つヨトウガの脂肪体由来の細胞株(MaBr-1,-4)を回転および静置培養方式によって大量培養する場合の各種培養条件を検討した。

2.3%牛胎児血清を含むMM培地を用いる場合、培養温度は28℃、培地のpH6.8、初期細胞密度は1〜5×105/m1、ローラーボトルの回転速度は0.83 rpm が適していることが分かった。また、低コストな無血清培地(MM-SF)に馴化した細胞(MaBr-4)を供試した場合にも同様な増殖性が確かめられた。

3.この条件下では培養後10日間で細胞は2×105/mlから1.6×106ml に増殖可能で、500mlのボトルを用いた回転培養では10日間で総量8×108個の細胞を得ることができる。

4.培養の経過に伴って培地の酸性化が進み、細胞の増殖性が劣化するので、長期間にわたって培養を続ける場合には、培地のpHを適性に調整する必要がある。


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