131.高強度絹糸の作出(1993)

坪内紘三、赤羽恒子、今井恒夫(1993)極細繭糸を利用した高強度絹釣り糸素材の開発.日本蚕糸学会第63回学術講演会講演要旨集

1.極細繭糸を利用した絹糸の高強度化を進め、絹の釣糸や外科手術糸用の素材開発を目標とした。高強度絹糸開発のため、まず細繊度繭糸蚕に生理活性物質(Anti-JH)を投与して3眠蚕とし、極細繭糸繊度(1d)の繭を作出した。次に、この繭糸を用いた生糸でブレード糸を作り、精練延伸を行った。

2.その結果、自動繰糸機(CT-U型)で繰糸可能な極細繭糸繊度繭が得られた。その繭糸繊度は1.0d(デニール)でフィブロインフィラメントは0.4dである。

3.極細繭糸による生糸は通常の普及蚕繭による生糸に比べて太さむらが少なく、強度は30%

4.極細繭糸を用いた生糸でブレード糸(組み糸)を作り、精練(脱セリシン)と延伸を行ったところ、空気中の強度が5.5g/d、水中結節強度約3g/dと非常に高い価のものが得られた。

5.空気中の強度5.5g/dは化学繊維の釣糸にほぼ匹敵する値である。

※坪内紘三(1994)絹つり糸用高強度絹糸の開発と利用.蚕糸昆虫研ニュース No.222


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