132.「綿蚕」紡績糸による洋装用新衣料素材(1993)

神田千鶴子(1994)「綿蚕」利用の簡易紡績法とその製品.蚕糸昆虫研ニュース No.232

1.保存品種の「綿蚕」系統の生繭層を精錬することなくハンドカード用針布で開繭し、カード(梳綿機)にかけたところ、開繭綿の繊維長を制御することで綿化することに成功した。開繭絹綿は繊維がよく分散してネップ(塊)が少なく良好な紡績用繭層ラップ(綿)となった。

2.電動式手工的カードのみによる絹綿を円筒に詰めガラ紡(和紡績)システムで製造した紡績糸の平均繊度は約700d(デニール)と太かったが、サンプルローラーガードを併用して綿化した繭層ラップによるガラ紡糸の平均繊度は300d以下となり、繊度むらが少ない細繊度紡績糸が得られた。

3.「綿蚕」紡績糸から作出した織物を精錬すると繭糸表面のセリシンがほどよく取り除かれ、糸間の内部空隙が増大して柔軟性に富み優れた光沢のある織物が得られた。「綿蚕」ガラ紡糸から製造したブラウス地の見掛けの比重および剛軟度は、対照区より小さく、膨らみと柔軟性に富む織物となった。試作した婦人用ブラウスは仕立て易く、雅趣に富んだものとなった。


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