146.カメムシ類とその天敵寄生蜂の交信物質(1994)

Leal W. S. and T. Kadosawa (1992) (E)-2-Hexenyl hexanoate, the alarm pheromone of the bean bug Riptortus clavatus (Heteroptera: Alydidae). Biosci. Biotech. Biochem. 56(6): 1004-1005

1.ホソヘリカメムシ雄成虫が摂食時に放出する集合フェロモンについては探索、同定、化学合成、野外における捕穫試験などを行ったところ、当該フェロモンは成虫のみならず、2齢幼虫ならびに寄生蜂を誘引することが明らかにされた。

2.GC-EAD、ガスクロマトグラフ質量分析計、ガスクロ直結フーリエ変換赤外吸収分析装置を用いて、ガスクロ応答ならびに触角応答から雄成虫の放出する4つの物質を同定した。
   (T)(E)-2-hexenyl hexanoate
   (U)(E)-2-hexenyl (E)-2-hexenoate
   (V)(E)-2-hexenyl (Z)- hexenoate
   (W)myristyl isobutyrate
そのうち3成分(U〜W)は、雄成虫が摂食時のみに放出することが明らかになった。

3.野外における合成品の誘引効果は、成虫10匹分に相当し、また、寄生蜂に対しても強い誘引効果を示した。この現象は、カメムシ卵への当該蜂の寄生率が、卵単独よりも成虫が存在する場合に高い結果と良く一致する。

4.合成フェロモンは、ホソヘリカメムシの2齢幼虫をも誘引した。 当該カメムシは寄生植物(主にマメ科植物)以外にも産卵するので、集合フェロモンが摂食行動を開始する前の2齢幼虫に餌植物への場所を示す交信物質として利用されている可能性を示唆している。

※レアル・バルター・スアレス、小野幹夫「ホソヘリカメムシ及びカメムシタマゴトビコバチの誘引剤」(特許登録:25200841996年5月17日)


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