152.カイコの脱皮ホルモン受容体cDNAのクローニング(1995)
Kamimura, M., S. Tomita and H. Fujiwara (1996) Molecular cloning of an ecdyson receptor (B1 iso-form) homologue from the silkworm, Bombyx mori, and its mRNA expression during wing disc development. Comp. Biochem. Physiol. 113B: 341-347
1.ショウジョウバエのEcR(DmEcR)とタバコスズメガのEcR(MsEcR)で保存されている領域をプライマーとしてRT-PCRを行い、両者と高い相同性を持つ配列を得た。この配列をプローブとして、その下流を含むcDNAクローンを得、5'-RACEによって5末端の構造を決めた。このcDNAは全長2720bpで、543アミノ酸からなるORFを含んでいた。
2. この配列を既知のEcRの配列と比較したところ、DNA結合領域とリガンド結合領域で特に高い相同性が見られた。アイソフォーム特異的領域の比較では、B1アイソフォームとの間にのみ高い相同性が認められることから、このcDNAはカイコにおけるEcRの相同体(BmEcR)でB1アイソフォームに属するものと考えられた。
3.ノーザン解析により、幼虫−蛹変態時にBmEcRのmRNAが組織特異的に発現することが示された。また、5齢期間中の翅原基では、BmEcRは血中エクジステロイド量の増加に先立って発現することが明らかとなった。