153.夏秋蚕用蚕品種「梓」(1995)

山本俊雄、間瀬啓介、榎島守利(1995)蚕の新品種−夏秋蚕用普通蚕品種「日202号×中203号」.技術資料 第130号:5-6

1.日202号
  化性:二化性。系統:日日固定種。来歴:本種は農林水産省蚕糸・昆虫農業技術研究所において育成した二化性白繭系の日日固定種である。
  蟻蚕は暗褐色を呈し、幼虫の体色は淡赤系で、斑紋は雌は形、雄は姫となる限性形質を有し、雌雄鑑別の容易な品種である。幼虫の経過は日137号に比べて稚蚕、壮蚕ともに大差ない。虫質は強健であるが、眠起の取扱いを適切にし、稚蚕期は良桑を給与することが望ましい。繭は浅縊俵形で、ちぢらは普通である。越年卵の卵色は藤鼠である。
  本種と中203号とを交配する場合、両品種の取扱いがほぼ等しいときは、催青着手を3日程度早くすればよい。蚕種の人工孵化に要する塩酸浸漬時間は、即浸では5〜6分、冷浸では6分前後が適当である。

2.中203号
  化性:二化性。系統:中中固定種。来歴:本種は農林水産省蚕糸・昆虫農業技術研究所において広食性品種として育成した二化性白繭系の中中固定種である。
  蟻蚕は黒褐色を呈し、幼虫の体色は青系で、斑紋は雌は形、雄は姫となる限性形質を有し、雌雄鑑別の容易な品種である。幼虫の経過は支146号に比べて稚蚕、壮蚕ともに大差ない。虫質は強健であるが、眠起の取扱いを適切にし、稚蚕期は良桑を給与することが望ましい。繭は楕円形で、ちぢらは普通である。越年卵の卵色は生壁である。
  本種と日202号とを交配する場合、両品種の取扱いがほぼ等しいときは、本種の催青着手を3日程度遅くすればよい。蚕種の人工孵化に要する塩酸浸漬時間は、即浸では5〜6分、冷浸では6分前後が適当である。

3.日202号×中203号(愛称:梓)
  化性:二化性。系統:日中交雑種。適用蚕期:夏秋蚕期
  本種は日中二元交雑二化性の白繭種で、夏秋蚕用に供する。幼虫の体色は青系に淡赤系を混じることがあり、斑紋は雌は形、雄は姫となる限性品種である。幼虫の経過は日137号×支146号に比べて稚蚕、壮蚕ともに大差ない。虫質は強健で、眠起はよく揃うが、就眠期は除湿に務め、蚕座をよく乾燥させることが望ましい。5齢期は良桑を十分給与することが大切である。繭は楕円形で、ちぢらは普通である。
  本種は日137号×支146号に比べて繭重が重く、収繭量は多い。また、繭糸繊度は細く(初秋蚕2.6デニール内外、晩秋蚕2.8デニール内外)、繭糸長が長い特徴がある。さらに、繭層練減率が低く、解舒率は良好で、エクスフオリエーション等級点が高い等、糸質が優れている。


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