158.カイコvasa様遺伝子の発現(1996)

Nakao, H. (1999) Isolation and characterization of a Bombyx vasa-like gene. Dev. Genes Evol. 209: 312-316

1.発生過程にあるカイコ胚組織についてin situ hybridizationを行い、vasa様遺伝子の発現が生殖巣特異的であることを確認した。

2.5齢幼虫卵巣におけるvasa様遺伝子の発現は生殖細胞特異的であった。

3.蛹卵巣では発現は卵室内の哺育細胞に強くみられ、さらに分化が進むと哺育細胞から移行したと考えられる転写物が卵母細胞において認められた。また、産下卵中にも転写物の存在が確認された。これらのことは、vasa様遺伝子が母性因子として働くことを示唆している。

4.このことによりvasa様遺伝子が生殖細胞のマーカーとして有用なものであることが確認され、今後カイコの生殖細胞に関する研究への貢献が期待される。また遺伝子発現が生殖細胞特異的であること、転写物が産下卵中にも存在することなど、塩基配列以外にもvasaとの類似性がみられたことは、本遺伝子がvasaと機能的にも類似する可能性を示唆する。


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