162.布団綿用シルクウェーブ(1996)

中島健一、高林千幸、中屋 昭、小池文江(1996)シルクウェーブの繰製条件がその性状に及ぼす影響.製糸絹研究会誌 531-34

1.シルクトウ繰製装置の一部を改良して、1,5002,500粒の繭から1本1本の繭糸を分繊した状態で一度に引き出し、乾燥しながら低張力で平面状に巻き上げることで、布団や衣類の中綿用として利用可能なシルクウェーブを開発した。

2.シルクウェーブを布団に用いる場合には嵩高性が要求されるので、繭糸繊度や繰製条件がその嵩高性に及ぼす影響について検討した。その結果、繭糸繊度が細い蚕品種ほど、また内層部へ移行するに従い嵩高さおよび嵩高圧縮弾性率の高い素材が得られた。

3.また、繰糸張力が増す条件で繰製したものほど揚枠後の収縮率は大きくなり、その結果、嵩高さは増すが嵩高圧縮弾性率は低下する傾向を示した。このことは、シルクウェーブは通常の生糸とは繰製方法が異なり、巻取機に巻かれるまでに乾燥されるため、巻取機上で乾燥応力を受けないこと、たとえ張力が大きくなっても揚枠後の収縮率が大きくなることにより、繭糸固有のクリンプが発現すること等により嵩高さが増すものと考察された。

4.これまでの製糸工程と比較すると機構が簡素であり、揚返し、撚糸等の加工工程を省略できるため、生産コストを大幅に軽減することが可能である。

※高林千幸、中島健一、中屋 昭(1996)シルクウエーブを利用した“布団”.蚕糸昆虫研ニュース No.302


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