170.アルカロイド医薬物質としての昆虫性フェロモン(1996)

Leal, W. S., P. H. G. Zarbin, H. Wojtasek, S. Kuwahara M. Hasegawa and Y. Ueda (1997) Medical alkaloid as a sex pheromone. Nature 385: 213

1.野外で採集した約2000匹のウスチャコガネの雌成虫から空気捕集法によって得た成分をエーテル抽出によって分画し、雄成虫に対して誘引性の高い物質を単離した。

2.誘引活性物質をガスクロマトグラフ質量分析計とガスクロ直結フーリエ変換赤外吸収分析装置によって化学構造の決定を行い、1,3-dimethy1-2,4-(1H,3H)-quinazolinedione[N,N'-dimeth yl-benzoyleneurea]と同定した。この物質は哺乳類に対して消炎・鎮痛作用を示すアルカロイド化合物で、自然界からは初めて単離された。

3.化学合成した上記アルカロイド化合物のデータを比較したところ、ウスチャコガネ雄成虫に対して誘引性の高い物質のスペクトルと完全に一致し、フェロモン物質であることを確認した。

4.合成フェロモンを用いて野外試験を行ったところ、ウスチャコガネに対して極めて高い誘引活性が認められた。


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