174.極細繊度蚕品種「はくぎん」(1997)

山本俊雄、間瀬啓介、山田敏子、長坂幸吉、岡田英二、榎島守利、伊坪友子、宮島たか子、熊井敏夫、和泉清二(1998)特徴ある蚕品種:中514号×中515号(愛称:はくぎん).技術資料 第134号:3-4

1.中514号(173.細繊度・広食性蚕品種「ほのぼの」参照)

2.中515号
  化性:一化性。系統:中中固定種。来歴:本種は農林水産省蚕糸・昆虫農業技術研究所において育成した細繊度蚕品種の中505号を、更に極細繊度系統として改良した一化性白繭系の中中固定種である。
  蟻蚕は黒褐色を呈し、幼虫の体色は青系で、斑紋は形である。幼虫の経過は支146号よりやや早く、全齢で約1日短い。また、強健で飼育取り扱いは容易である。なお、上蔟から発蛾までの期間が短いので、蛹期の取り扱いは注意を要する。繭は白色の浅縊短俵形で、ちぢらは粗である。越年卵の卵色は藤鼠である。
  本種と「中514号」とを交配する場合、両品種の取り扱いがほぼ等しいときは、本種の催青着手を1日遅くすればよい。蚕種の人工孵化は、即浸、冷浸ともに4分前後の塩酸浸漬時間が適当である。

3.中514号×中515号(愛称:はくぎん)
  化性:中514号が母体のときは二化性、中515号が母体のときは一化性。系統:中中交雑種
  本種は中中二元交雑の白繭種で、繭糸繊度が極細の特徴ある蚕品種である。幼虫の体色は青系で、斑紋は形である。しかしながら、中515号を母体にしたときには、形蚕斑紋の淡い幼虫が分離することがある。
  幼虫の経過は「しんあけぼの」に比べて稚蚕期及び壮蚕期ともやや短く、全齢では約1日短い。また、稚蚕、壮蚕とも眠起はよく揃い、飼育取り扱いは容易である。5齢期が短く盛食期の食桑はやや少なめであるので、給桑量に注意する必要がある。
  繭は高品位性が求められるので、飼育取り扱いに注意し、ばらつきが少ない品質の揃った繭を生産するよう努める必要がある。また、繊度が著しく細いため解舒率が不安定になりやすいので、上蔟時には通風・換気を行い、多湿にならないよう注意する必要がある。
  繭は白繭の楕円形で、ちぢらはやや粗である。繭糸繊度は1.6デニール内外である。用途としては、本種は繭糸繊度が著しく細い特長を持つので、極細高級生糸用に適する。

※山本俊雄、間瀬啓介、長坂幸吉、岡田英二、伊坪友子、宮島たか子、榎島守利、熊井敏夫、和泉清二(1999)極細繊度蚕品種「はくぎん」の育成.日本蚕糸学雑誌 68(2)125-132


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