178.人工葉を用いたエビガラスズメの屋内採卵法(1997)

Shimoda, M. and M. Kiuchi (1998) Oviposition behavior of the sweet potato hornworm, Agrius convolvuli (Lepidoptera; Sphingidae), as analysed using an artificial leaf. Appl. Entomol. Zool. 33(4): 525-534

1.エビガラスズメ(Agrius convolvuli)は、人工飼料による累代飼育法が確立されているが、通年飼育を行うには、採卵のために寄主植物であるサツマイモを常時栽培する必要があった。本種の安定供給と飼育の省力化のため、簡便な屋内採卵法を確立する。

2.短冊状に切断したサツマイモ生葉100gにエタノール320mlを加え、4℃に約3日間おくと、生葉中の産卵刺激物質が溶液中に抽出される。得られた抽出液は-20℃で一年間保存した後も、産卵刺激活性が失われなかった。

3.厚さ1.5cm、直径12.5cmのディスクを本体とする人工葉を設計した。上面には濾紙を重ね、常に生葉抽出液が供給されるようにし、下面には産下卵を回収するためのプラスチック盤を取り付けた。

4.交尾雌は飼育箱内の人工葉の前でホバリングし、活発に産卵した。濃度約50mg/mlの生葉描出液を用いると、サツマイモの鉢植えを用いた場合とほぼ同じ産卵数(雌1頭当たり約500卵)が得られ、産下卵の多く(70%以上)は下面のプラスチック盤に回収された。

5.人工葉を用いてエビガラスズメの産卵過程を調べたところ、産卵刺激の受容には触角と脚のふ節の両者が関与しており、寄主識別には脚のふ節よりも触角による化学受容がより重要であることが示された。


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