181.チャバネアオカメムシから分離した新規ピコルナ様ウイルスの性状(1997)

Nakashima, N., J. Sasaki, K. Tsuda, C. Yasunaga and H. Noda (1998) Properties of a new picorna-like virus of the brown-winged green bug, Plautia stali. Journal of Invertebrate Pathology 71: 151-158
Sasaki, J., N. Nakashima, H. Saito and H. Noda (1998) An insect picorna-like virus, Plautia stali intestine virus, has genes of capsid proteins in the 3'-part of the genome. Virology 244: 50-58

1.チャバネアオカメムシから直径30nmの球状ウイルスを精製した。このウイルスは8.9kbの一本鎖RNAと4種の構造蛋白質(3330364.5kDa)を持つことからピコルナ様ウイルスの一種と判断し、宿主昆虫の消化管で増殖することから、Plautia stali intestine virusPSIV)と命名した。

2.PSIVゲノムの全塩基配列を決定し、高等動物や植物のピコルナ様ウイルスでは知られていない独特のゲノム構造を持つことがわかった。今まで数多く報告されているが詳細な性状が未解明となっている昆虫ピコルナ様ウイルスの中にもPSIV類似の遺伝子構造をしたものが多く含まれると推察される。

3.非感染虫と3齢幼虫期にPSlVを摂食させた感染虫との生存日数を比較したところ、感染虫の平均生存日数は羽化後約13日であった。チャバネアオカメムシ雌成虫の産卵前期間が約14日間であることから、PSIVが野外でチャバネアオカメムシの生息密度を下げる要因となりうる。

4.PSIVは福岡県、広島県、大分県、茨城県で採集されたチャバネアオカメムシから検出されていることから、国内各地に広く分布していると考えられる。


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