183.カイコ卵への外来遺伝子の微量注射による形質転換体(1998)
(トランスジェニックカイコ)の作出法(1998

Nagaraju, J., T. Kanda, K. Yukuhiro, G. Chavancy, T. Tamura and P. Couble (1996) Attempt at transgenesis of the silkworm (Bombyx mori L.) by egg-injection of foreign DNA. Appl. Entomol. Zool. 31(4): 587-596
田村俊樹、神田敏男、勘場麻里、E. Abraham、行弘研司、長谷川毅、河本夏雄、M. FrazerF.ChantelP. Couble1999)トランスポゾンpiggyBacによるトランスジェニックカイコの作出.日本蚕糸学会第69回学術講演会講演要旨集 57
Tamura, T., C. Thibert, C. Royer, T. Kanda, E. Abraham, M. Kamba, N. Komoto, J-L. Thomas, B. Mauchamp, G. Chavancy, P. Shirk, M. Fraser, J-C. Prudhomme and P. Couble (2000) Germline transformation of the silkworm Bombyx mori L. using a piggyBac transposon-derived vector. Nature Biotechnology 18: 81-84

1.トランスポゾンpiggyBacにマーカーとしてGFPを挿入したベクターをヘルパーとともに注射し、約220蛾(約80,000頭)の次世代を得た。

2.蛍光実体顕微鏡により、220蛾の半分から孵化した約40,000頭の次世代幼虫をスクリーニングした結果、3蛾区からおよそ100頭の個体でGFPの発現が観察された。

3.GFPの発現が観察された個体からゲノムDNAを精製し、サザンブロッテイングにより調べた結果、GFPを発現している個体はゲノム当たり1〜3コピーのGFP遺伝子が挿入されていることが分かった。

4.ゲノムに挿入されたGFP遺伝子の構造を調べた結果、piggyBacの標的配列であるTTAAにこのトランスポゾンの末端逆位反復配列が挿入されていた。このことから、カイコヘの遺伝子の挿入は、トランスポゾンの転移機構を介して起きていることが分かった。

5.形質転換体をさらに交配して次の世代における分布を調べた結果、挿入された遺伝子はメンデルの法則に従って安定して次世代へ伝わった。


 研究成果の目次に戻る