190.抗菌蛋白質カブトムシディフェンシンの蛋白質工学的改変(1998)

Saido-Sakanaka, H., J. Ishibashi, A. Sagisaka, E. Momotani and M. Yamakawa (1999) Synthesis and characterization of bactericidal oligopeptides designed on the basis of an insect anti-bacterial peptide. Biochem. J. 338: 29-33

1.カブトムシディフェンシン(アミノ酸43残基)のアミノ酸12残基からなる部分ペプチド64種類を合成し、黄色ブドウ球菌に対する抗菌活性を測定したところ、LCAAHCLAIGRR-NH219L-30R-NH2)がディフェンシンの約20%の抗菌活性を示した。

2.19L-30R-NH2をもとにさらに短いペプチドを合成したところ、C末端側8残基のHCLAIGRR-NH2まで活性がみられた。19L-30R-NH2、9残基のAHCLAIGRR-NH222A-30R-NH2)およびそのアミノ酸を一部置換したペプチドの最小増殖阻止濃度(MIC)を測定したところ、いずれも黄色ブドウ球菌に対して、カブトムシディフェンシンに匹敵する活性を有していた。

3.これらの改変ペプチドは、カブトムシディフェンシンが抗菌活性を示さない大腸菌に対しても活性を持ち、さらにMRSA、緑膿菌に対して活性を示すものも見られた。

4.CDスペクトルの測定から、これらの改変ペプチドはリポソーム存在下でαヘリックス構造をとることが示され、リポソームからのグルコースの漏出実験から、細胞膜に作用することが示唆された。

5.これらのペプチドは、ウサギ赤血球に対する溶血活性を示さなかった。

※山川 稔、石橋 純、坂中寿子「抗菌ペプチド及びこれを有効成分とする抗菌剤」(特許登録:32733142002年2月1日)


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