194.硫酸化絹フィブロインの抗血液凝固機構(1999)

Tamada, Y. (2004) Sulfation of silk fibroin by chlorosulfonic acid and the anticoagulant activity. Biomaterials 25: 377-383

1.絹フィブロインをクロロ硫酸処理することにより、濃硫酸処理した硫酸化フィブロイン(SFIB)よりも50倍以上の抗血液凝固活性をもつ硫酸化絹フィブロイン(SclFib)を創出できた。

2.SFIBはアンチトロンビンV(ATV)の存在に関わらず、凝固因子Ua、凝固因子]aを阻害しなかったこと等から血液凝固機構の最終段階であるフィブリンに作用することにより、血液凝固を阻害しているものと推察できた。

3.SclFibは、ATVの存在下で凝固因子Uaと凝固因子]aを阻害したがATV非存在下では両者を阻害しなかったこと等から、ヘパリンと同様にATV活性化による凝固因子Uaや凝固因子]aの阻害により血液凝固を阻止している機序が示唆された。

※玉田 靖「抗血液凝固剤およびその製造方法」(特許登録:29459541999年7月2日)


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