202.硫酸化絹フィブロインの抗HIV活性(2000)

Gotoh, K., H. Izumi, T. Kanamoto, Y. Tamada and H. Nakashima (2000) Sulfated fibroin, a novel sulfated peptide derived from silk, inhibits human immunodeficiency virus replication in vitro. BioSci. Biotechnol. Biochem. 64(8): 1664-1670

1.クロロ硫酸処理により硫酸化したフィブロインの抗血液凝固機構はヘパリンのそれと類似していることから、他の生理活性の存在も期待できる。そこで、硫酸化絹フィブロインの抗HIV活性を検討した。

2.絹フィブロインをクロロ硫酸/ピリジン複合体で硫酸化することで、0.8mmol/g0.5mmol/gの硫酸基を導入した硫酸化絹フィブロイン(SclFib#1, SclFib#2)を合成した。

3.SclFib#1 #2 は、13.2μg/mlの効果濃度でHIV感染T細胞(HIV-MT4)の細胞障害を防いだが、導入硫酸基量に関しては、この範囲では抗HIV活性に影響がなかった。HIVに感染していない細胞(MT4)は、高濃度の硫酸化絹フィブロインを添加しても細胞毒性が観察されなかった。各種のHIV株に対しても有効であった。

4.フローサイトメトリーの結果から、HIV粒子のCD4+細胞への吸着を硫酸化絹フィブロインが阻害している抗HIV機構が推定された。

5.多核巨細胞形成が抑制されることから、硫酸化絹フィブロインはHIVエンベロープ糖タンパク質gp120CD4+分子の結合を阻害しているものと推定された。

※玉田 靖「抗ウィルス剤」(特許出願:2000-814762000年3月23日)


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