6.乾 繭

 生繭乾燥の目的は、殺蛹及び生繭の持っている水分(繭層11〜13%、蛹体74〜79%)を取り除いてカビなどの発生をおさえ、常温での長期貯蔵に耐えられるようにすること、およびこの過程で繭層繭糸に適度の熱変性をおこさせ、繰糸用繭としての好ましい性質を付与することにある。そのための乾燥法としては天日乾燥、真空乾燥、赤外線乾燥、気熱乾燥などいろいろあるが、加熱空気を用いる気熱乾燥方法が能率、経済および安定性の面で最も有利であり、製糸原料はほとんどがバンド型熱風乾燥機によって処理されている。この方法は、蒸気を熱源とする加熱空気を乾燥室に送り込み、コンベヤに載って進行する繭を乾燥する。乾燥初期の温度を110℃〜120℃とし、以後徐々に降温させて、末期には60℃前後とする変温乾燥が行われており、5〜6時間で乾燥を終える場合が多い。乾燥温度を高めるなど繭乾燥の程度を進めすぎると、繭層セリシンの熱水溶解性が低下して解舒が不良になり、繭質を損なう恐れがある。反対に乾燥が不十分であると、蛹体の保有水分が多く、貯蔵中にカビが発生する。カビが発生する蛹体含水率は雌が20%以上、雄が16%以上であるが、過度の乾燥を避ける上からもカビの発生を防止するには、蛹体含水率を15%前後とすることが望ましい。(乾繭重量/生繭重量)×100で表わせられる乾燥歩合は、通常40〜44%の範囲にある。蛹体含水率を15%に設定する場合の標準的な繭の乾燥歩合Yは、生繭の繭層量歩合Xと生繭蛹の含水率pとから理論的に、次式によって求めることができる。

   Y=(0.0115 p − 0.2104)X − 1.15p + 115

 しかし、繭乾燥の現場では、蛹体の含水率を正確に調査することが困難な場合が多く、実用上は、次のような簡単な算式を用いて、生繭の繭層量歩合Xから乾燥歩合Yを目安として求めている場合が

   Y=X + 20  または  Y=(100 − X)/4 + X


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