Q: 2002年7月7日の朝日新聞に「繭玉千金」というタイトルで記事が載りました。“「黄金糸」と呼ばれる金色の絹糸になる蚕の繭の生産が、長野県中条村の堀内新也さん(62)方で続いている(中略)糸になると金色に輝くことから人気を呼び、今では京都の着物問屋から注文が相次いでいるといる。”という記事ですが、ここでいっている金色の繭になる品種名は何でしょうか?


A: 中条村の堀内さんのグループが生産している「黄金糸」は鐘光(しゅうこう)×黄玉(おうぎょく)と呼ばれる交雑種が用いられています。カネボウシルクエレガンス社が平成6年に育成した品種です。鐘光は春嶺1号という普通の白繭種を改良したもので、黄玉は農業生物資源研究所昆虫遺伝研究チーム(小淵沢)で保存している支125号(黄繭種)と白繭種の鐘月とを交雑して新しい黄繭種として改良したものです。黄繭が優性のY(黄血)遺伝子に支配されるので、白繭との交雑種は黄繭になります。なお現在、カネボウの蚕種部門が閉所されたので、これらの品種は上田蚕種協業組合で維持、増殖されています。


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