Q: 琉球多蚕繭の生繭から糸をひこうと思っているのですが、なにぶん初めて扱う種類なので戸惑っています。煮繭の留意点など教えていただけませんか?


A: 琉球多産繭は黄金色で紡錘形をしたものや緑黄色で長楕円形をしたものがあり、玉繭を多くつくる傾向があります。単繭では破風部分が薄かったり、破風抜けの繭が多い傾向があります。ですので、玉繭と単繭とを同一条件で煮繭すると煮熟度に差が生じてしまいますので、それぞれに分けて煮繭することが必要になります。
 玉繭の場合は、いずれにしろ糸を最初から最後まで抽き出すことはできませんし、破風部分が薄かったり、抜けている繭は、その部分の煮熟が進みがちになりますので、ずる節が生じたり、繰糸不能になることがあります。
 手に入る繭はそんなに多くなく貴重と思われますので、玉繭と普通の状態の繭の区、と破風抜け繭(薄いものも含む)の区に分けた方が良いと思われます。
 玉繭の場合の煮繭は、熱湯を繭内へ浸透させる方法と浸透させない方法があります。湯を繭内へ浸透させて沈繰とすると繭が重くなるために、繰糸張力が大きくなることや、座繰りなどの繰糸方法によって異なりますが、繰糸湯の温度が高い場合、沈繰では落繭時の繭の取り扱いが難しくなります。
 座繰りで糸をひいておられますので、玉繭の場合は浮き繰り状態で繭を煮ながらひくのが良いかと思います。繭内へ湯を浸透させずに煮繭する方法としては、繭と水との親和を図るため、予め繭を水の中へ浸漬した後に、70度くらいの熱湯に入れ、漸次温度を上昇させ、沸騰状態にもっていきます。そして、繭を湯面に沈めておいて水を若干散布させてやります。急激に温度を下げると繭の中へ湯が浸透しますので、繭層の中へ湯が浸み亘る程度とすることが肝要です。
 普通の状態の繭もこれに準ずる方法で良いかと思いますが、玉繭とそれとでは、繭層の厚さが異なりますので、沸騰点に達した後の煮繭時間を玉繭より短くする必要があります。
 破風抜け繭(破風部分が薄い繭)の場合は、基本的には玉繭と同様な方法で行いますが、上述したように破風部分は煮熟が進みがちですので、全体的な煮繭時間を玉繭の場合に比較して、短くすること、沸騰状態を過度にしないことに気を付けることが必要です。ですので、繰糸でのことも考えて、煮熟はあまり進めない方が良いでしょ
う。
 繰糸はこれらの煮繭した繭を混繰して行いますが、高温湯でいわゆる繭を繰りながら煮るという方法をとります。温度は繭の繰れ具合を見ながら調整して下さい。
 玉繭で解れが悪い場合は、繰糸時に炭酸ソーダ等を使う場合が有りますが、玉繭には良くても他の繭が崩れる場合がありますし、その濃度も一定にコントロールすることもできませんので、薬剤は使わない方法がよいと思います。


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