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Subject: [silkmail:17] ガラ紡と臥雲辰致 <Chikayoshi Kitamura > 2001/07/30

大わしの図書室で『日本ガラ紡史話』(中村 精著、慶応出版社、1942)
を見つけて読んでみると、ガラ紡の発明者の臥雲辰致(がうんたつむね)
は信州安曇野の生まれであると書いてありました。高林さんにその話を
したところ、松本市の地方出版社である郷土出版社から『臥雲辰致』と
いう本が1993年に出版されていると紹介されました。その本では、「が
うんたっち」とフリガナがしてあるので、正しい名前はなんと読むんだ
ろうかという話になりました。

その本にいくつか参考図書の名前がありましたので、帰りに八重洲のブ
ックセンターに寄り、そのうちの一つ『臥雲辰致』(村瀬正章著、吉川
弘文館、1988)を買い求めました。この本は日本歴史学会編集の人物叢
書の中の1冊でした。それによると、これまでに「ときむね」「たつむ
ね」「しんち」「たつとも」「たっち」と5通りの記述が見られるが、
最近まで現存していた辰致の末子はじめ子孫等の証言を集めると、みん
な、「たっち」と呼んでいたということでした。従って、ガラ紡を発明
したのは、現在の長野県堀金町大字三田字田多井生まれの臥雲辰致(た
っち)というのが正しいということのようです。

Chikayoshi Kitamura (NIAS/MAFF) kitamura@affrc.go.jp