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Subject: [silkmail:19] 五浦美術館「織−絹の美と技−」 <Chikayoshi Kitamura > 2001/08/13

昨日、北茨城市五浦にある「茨城県天心記念五浦美術館」で開催されている表記の企画展
を見てきました。1時半から約1時間、美術館の学芸員の方の解説がありましたので、そ
れを聞いてから鑑賞しました。
企画展会場は、有職織物、能装束、紬織物、テキスタイルとタピストリーの4つのコーナ
ーにわかれており、紬のコーナーでは宗廣力三、志村ふくみら人間国宝の作品を中心に展
示されていました。あらかじめ解説をきいていなかったら刺繍をしたのかと思うような紋
様の数々や豊富な色彩に圧倒されました。「着物」を着る習慣がなくなってきている昨今
こうした技術をどのようにしたら後生に伝えていけるのだろうかと考えさせられました。
テキスタイルとタピストリーのコーナーでは、沖縄の上原美智子さんの「あげずば織」(
あげずばとは琉球の古語でカゲロウのことのようです)という薄衣の数々(頭上に放り投
げるとゆっくりと羽根が舞うように降りてくる)の美しさに見とれました。細繊度の糸を
使ったらもっと薄くなるのかなと思うとともに、装飾物としてだけでなく生活資源として
このような薄布を使う場面ってあるのだろうか、とまたまた考えさせられました。同じコ
ーナーで、朝倉美津子さんのタペストリーが展示されていました。「ヨーロッパは吊す文
化(洋服やタペストリ)、日本は畳む文化(着物や屏風)」という作者の主張が作品のコ
ンセプトとなっていることがよく理解できました。
 とにかく、日本文化の奥の深さを感じながら目の保養をさせてもらった一日でした。同
時にこうした文化と技術を日常生活の中に活かしながら保存し後生に伝えていくという大
きな課題があるなあ、とつくづく感じさせられる一日でもありました。
※企画展は8月26日まで開催されます。

Chikayoshi Kitamura (NIAS/MAFF) kitamura@affrc.go.jp