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Subject: [silkmail:55] ブランド(7) <KINOSHITA > 2001/11/19

日垣隆氏による「ブランドとは何か?」について。

(7)貯金の少ない、もっともお洒落な国民について。

    イタリアは、歴史を遡っても本当になんかズル
いというか、変わり身が早い国です。とにかく楽しい方
が良い。スペインやイタリアのラテン系の国では、「ケ
セラセラ」と要するに「明日は何とかなるさ」という意
味の言葉がよく使われる。
それは、イタリア人が、世界中の資本主義国の中で最
も貯金の少ない国民、つまり逆に一番お金を使う国民で
あることときっと無関係ではないと思う。
イタリアは日本のGNPの8割くらいであるにも関わ
らず、ずっと美味い物を食べているし、よっぽど綺麗な
物を着ています。貯金だけは少ないですが、それは政治
の問題です。庶民が「いま」お金を使わないで貯蓄に勢
力をつぎ込むというのは、不安だからでしょう。

もう1つ、ミラノに行くだけできっと価値があると思
うことがあります。それは、お洒落しないと街を歩けな
いという条例があるんじゃないか、と思うぐらい、お爺
さんもお婆さんまで、ものすごく格好よくビシッと決め
ていることです。
どうして、ミラノの人はそんなにお洒落なのか?
ミラノは、人口規模からしたら仙台市程度の都市なん
です。でも、そのミラノから、世界的なデザイナーを30人
くらい出してるわけですよ。アルマーニとかヴェルサーチ
とか、そういう人達を大勢出しています。

ヴェルサーチには、歩いて5分ぐらい離れているとこ
ろに本店が2つあります。1つは衣類で、もう1つはヴ
ェルサーチの家具やお皿とかスプーンを売っている。
 ヴェルサーチにオーダーできる人っていうのは、「今
度お城買ったから全部やって」みたいに、調度品もお皿
から家具から絨毯から全部ヴェルサーチのものでコーデ
ィネイトしてもらうわけです。
そういうイタリアの人たちから見たら、ジーンズ姿の
女子大生が18万円もするバッグを買うというような日本
人の1点買いを、どうしてそういう買い方が出来るのか
と理解に苦しんでいる。けれども、ルイヴィトンの世界
中での売上げの内、去年は3分の1が日本なんだよね。だ
からもうあらゆるブランドショップが、日本人の購買を
抜きにはもう成り立ち得ないというところまで来てい
るわけです。

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独立行政法人 農業生物資源研究所
ゲノム研究グループ
木 下 晴 夫
E-mail:hkinoshi@affrc.go.jp
TEL:0298-38-6196