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Subject: [silkmail:58] Re: ブランドについて <Chikayoshi Kitamura > 2001/12/16

KINOSHITA さんは書きました:
> これからの蚕糸のあり方の中で「地域ブランド」、「ジャパンシ
>ルクブランド」という言葉が使われています。
> この「ブランド」という言葉は極めて漠然としていて、何がブラ
>ンドなのか?、ブランド化の為の要件とは何か?いつも心に引っか
>かりを感じていました。3年前の製糸夏期大学だったと思いますが、
>ある講師が
>ブランドとは「信用に裏打ちされた「老舗(しにせ)」である」と
>言っていたことを記憶しています。

広辞苑で「ブランド」をひくと、“(焼印の意)商標。銘柄。特に、名の通った銘柄”
とあります。さらにひくと「商標」:“(trade mark)営業者が自己の商品・サービス
であることを示すために使用する標識”、「銘柄」:“商品の名。取引物件となる商
品・有価証券などの特定の名称または品目”とあります。
つまり、ブランドとは商品につけられた特定の名前であり、その商品を提供しようと
する営業者がその商品について提供しようとするコンセプトを示す標識というのが元
の意味のように思われます。

これに関して、2つの派生方向があるように思います。一つは、一連の商品群に対し
て営業者のコンセプトを示す、という意味でのプランドです(例えば、ユニクロ:“外
国で作らせて安く提供する生活消費材”)。そのコンセプトが正しいかどうかは別に
して、購買者がそれを受け入れた時に、ブランドが成立するようです。

もう一つは、本来、生産者あるいは営業者の「わが社の製品は確実です」というよう
なアピールから購買者が集中し、それがつもりつもって、ひいては多少高くても購買
する人が出てくる、といういわゆる“ブランド化”でしょうか。この背景には、人と
同じことをしていると安心、自分だけが遅れたくない、という没個性的、付和雷同的
国民性があると思います(本来、個性的であるはずのブランドが、没個性の象徴にな
ってしまう、という不思議)。

木下さんが何となく違和感を覚えられる「地域ブランド」、「ジャパンシルクブラン
ド」といったことえを考えておられる人たちの背景にある考えは何なんでしょうかね
〜?「○○県のシルク製品は、このような特徴があるので安心です」というようなコ
ンセプトを生活者に伝えたい、という想いでしょうか、それとも、“他とは違う、だ
から多少高いのは当たり前”という付加価値を期待する発想でしょうか?

 伝えるべきしっかりしたコンセプトなしに、差別化・付加価値がつくことだけを期
待して作る「地域ブランド」ではなく、しっかりしたコンセプトで生活者に支持され、
結果として安定的に販売される、そんな「地域ブランド」でないと、これからはもた
ないのではないでしょうか。○○という商品の名前(ブランド)というのが、製造者
の個性の標識、商品の個性の標識、製造者の考えるコンセプトの標識であって、結果
として提供された商品が生活者のニーズに適合して、自然にブランド化していく、と
いうのが大事だと思います。そうでなければ、繰り返し流されるCM、有名タレント
を使ったCMによって“作られた”ブランドになってしまって、そんなものの寿命は
とても短い、という気がするのですが。

検討不足ですが、木下さんの投稿直後の広瀬さん以外レスがないようですので、とり
あえず意見です。

Chikayoshi Kitamura (NIAS/MAFF) kitamura@affrc.go.jp