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Subject: [silkmail:88] メールをもらいました <Chikayoshi Kitamura > 2002/02/17

先だって、大阪の女性からメールをもらいました。江戸時代の平織り織物、正倉院の平
絹等を見て、自分でも昔の平織の織物を織りたいと思ったのですが、もちろんその頃の
糸は市販されていません。何とか、今まで以上の風合いの繭が手に入らないかと、あち
こちインターネットで調べているうちに、このMLにたどり着いた、とありました。
この1〜2年の間にずいぶん多くの人から同様の要望が寄せられています。
 この間は、山形県の農家の方々が、荒れた桑畑を何とか有効活用したいと、所に相談
にこられました。
良質の生糸のために、規格の揃った良質の繭を大量に生産する、という目的でなく、求
められる多様な繭を少量づつ生産する、という養蚕形態はできないのでしょうか?

今日の朝日新聞「地域発2002」に群馬県JA甘楽富岡の取り組みが紹介されていました。
これは、以前、NHKの農業問題特集でも取り上げられていたものです。JA甘楽富岡
では、朝収穫して市場に出して、翌日店頭に並ぶという従来のやり方を改め、直接スー
パーやデパートと交渉し、卸、仲卸を通さずに、朝収穫した野菜を10時には店頭に並べ
るというやり方で大きな利益を上げているというものです。ここでの特徴は、生産者が
直接売り場に立って、主婦の要望を聞いたり、通常市場に出回っていない野菜を、少量
でもニーズがあれば作っているということ、生産者と生活者が直接対話しているという
ことだと思います。

個人で扱える分だけでいいので、色々な特徴ある繭が欲しいという要望を束ねて、少量
他品目生産をする養蚕というのが、これからの一つのあり方にならないでしょうか?
 趣味の世界、と馬鹿にしないで、真剣に検討してみる価値があると思うのですが・・・・

Chikayoshi Kitamura (NIAS/MAFF) kitamura@affrc.go.jp