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Subject: [silkmail:95] 昨日の新聞記事から <Chikayoshi Kitamura > 2002/03/26

昨日の朝日新聞夕刊の科学欄に「技あり−どう伸ばす技術開発力」という特集で3氏の
発言が載っていました。兵庫県立生活科学研究所参与の宮本豊子さんは、
「(中略)消費者に技術を押し売りしている感じだ。……各社が横並びで似たような製
品を出すことで、消費者は選択の余地を奪われているともいえるのではないか。(中略)
長持ちする、リサイクルできる、操作のしやすさ……。重要性を増す環境問題、高齢化
などに合わせ、開発するべき技術はたくさんある。売るための技術ではなく、本当に必
要な技術を目指してほしい。まず、技術者は、生活の中でニーズを知ってはどうだろう。
研究室や会議室に閉じこもっていてはニーズは分からない。技術者だけでなく、経営者
ももっと「生活人」になって考えて見てはどうだろうか。」と述べています。

三菱電機住環境研究開発センターの中津川直樹さんは、「(中略)環境にやさしく、省
エネ、省スペースというのが、これからの技術が目指すべきものだ。これらをすでに実
現しているのは生物だ。脱臭、無害化などの高度な技術は、電気や機械では対応できな
くなっている。電機メーカーにとってもバイオ技術が重要になる。将来は、今は別々の
製品が一つになるかもしれない。(中略)人間と環境が調和するために自然に学ぶ。技
術開発はそういうところに向かっている」と述べています。

「生活人」のニーズに応える技術開発、自然の営みを活用する技術開発
これって、まさに新蚕糸技術が目指している方向だな、と思いながら読みました。

Chikayoshi Kitamura (NIAS/MAFF) kitamura@affrc.go.jp