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Subject: [silkmail:218] 「 Train Shop 」に横浜シルクが 2004/11/09 <Chikayoshi Kitamura >

先日、友人が「東北に出張した折に面白い記事を見つけた」と言って「Train Shop」
10・11月号を持ってきてくれました。特急などの座席のポケットに入っている、通販
カタログです。そのトップ2頁にわたって、「横浜シルク、椎野正兵衛商店、貴婦人
を虜にした伝説の絹」という記事があり、続いて4頁ほど、JR東日本の通販で扱っ
ている商品のカタログが載っているというものです。
その記事のなかで、椎野さんへのインタビューの形で、次のようなくだりがあります。
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「明治時代に椎野のシルクが世界で評価されたのは、日本の職人たちに誠実さがあっ
たからですよ。出がけてみてわかったんですが、絹を製品化する作業は、団体競技な
んですね。完成までには蚕の種(卵)の生産から縫製までおよそ8つの行程があり、
それぞれ高度な専門技術が必要。7人が満点でも、ひとりが落第点を取れば努力は帳
消しです」
 復興にあたっては、最高級の繭と評価されつつも、繊維が細く誰もが加工に二の足
を踏んでいた「はくぎん」という品種の導入を決意した。よい腕を持ちながら休業同
然だった糸繰り職人をくどいて現場に立たせ、儲からないと片隅に追いやられていた
手捺染を再現してくれる会社も探し回った。椎野さんはいう。
 「日本の絹の生き残る道は品質しかない。その王道はとにかく魂の入った仕事をす
ること。ゆっくり、ゆっくりが基本です」
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養蚕、製糸、製織、染色、縫製、デザイン……と業種ごとに孤立して(分断されて)
いた技術を地域で一つの体系として、お互いの顔をみながら一つの目標に向かって連
携していく、そんな方向を実践してみせた起業家の言葉は重みがあるなあ、と思いな
がら読みました。そんな感想を話したら、「そんなんやったら、もっと取ってきたっ
たらよかったなあ。どうせタダなんやから」という返事が返ってきました(笑)

Chikayoshi Kitamura (NIAS/MAFF) kitamura@affrc.go.jp