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Subject: [silkmail:227] Re: 『八方にらみねこ』 2004/11/25 <Chiyuki Takabayashi >

 養蚕と猫との関係や猫神様とのことが述べられておりまして、大変興味深いことで
す。製糸の分野では猫に対する信仰といいますか、猫の力に実際に頼っていた部分が
多いようです。繭の中の蛹はタンパク質や脂肪などの栄養素が多く、ネズミの餌には
格好のもので、製糸工場や繭倉庫ではネズミの被害に悩まされていました。特に繭倉
庫での問題は、繭層を喰って蛹で繁殖する害虫(蛹で卵をとなった害虫が繭層を喰っ
て外へ出るケースの両方です)とネズミです。ネズミは副蚕場に多く出ますが、繭倉
庫にも多く出たそうです。
 岡谷市には、かつて吉田館という製糸工場があり、そこに5階建ての木造の繭倉庫
がありましたが、そこへ入って、まずびっくりした印象は、倉庫の梁という梁に招き
猫がずらっと置いてあったことでした。その時の社長さんに聞いたところ、ネズミは
繭にとって大敵である。この猫達がネズミたちを追い払ってくれる。おまじまいで
す。と言っておりました。その印象が脳裏に強くの残っていましたので、記した次第
です。
 以前、嶋崎昭典先生から頂いた中国の版画に猫と養蚕の関わりのものが彫ってあり
ました。養蚕と猫、中国のものをもっと研究してみる必要があると思います。皆さん
の述べられたものは日本のオリジナルなものだと思いますが、掘り下げればまだまだ
興味あるものがあると思います。
                                      
高林千幸




> H-mouri さんは書きました:
>
> >猫絵は、群馬県尾島町世良田の東毛歴史資料館に常設展示されています。
> >また当館(9月の養蚕〜昔と今〜で展示した。)や群馬県立歴史博物館にも収蔵
され
> >ております。
> >
> 今年4月24日〜6月27日まで開催された、駒ヶ根シルクミュージアム第6回特別展
> 「伊那谷の養蚕を支えた人々と蚕玉神」の中でも、伊那市西春近の山本公民館庭の

> の石造物などの伊那の猫神と蛇神の紹介がされていました。
> 三石さんと言う方のHP(http://www.janis.or.jp/users/mitsu/neko.htm)に
は、
> 概略、養蚕との関係は不明だがと断りながら、次のような猫神さんの紹介がされて

> ました。網野サミットのあった丹後峰山にも猫神の石像があるということですの
で、
> 結構、かつての養蚕地帯を中心に全国各地に、あるのでしょうね。
> 昔の人々の生活と文化を辿るのもなかなか楽しいものですね。
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> 更埴市霊靜山の石仏群にみられる猫神は、その像容のユニークさでは特筆すべきも

> であった。また、伊那市西春近山本の公民館裏にある猫像も小ぶりではあるが、素

> な一体であった。これらは『遥北通信』などで紹介しているので参考とされたい。

> ころで、伊那谷には意外に猫神が多い。
>  上伊那郡飯島町豊岡にある清水坂にも猫神がある。清水坂は飯島町本郷から与田

> 川を渡り飯島の町へ登る所にある坂である。ここで紹介する清水坂のお不動様は、

> 在の国道153号線与田切橋のすぐ北の段丘崖上の森にある。お不動様は鬱蒼とした

> 林の中にあり、2メートルほどの大岩の上に石造の不動明王が安置されている。こ

> お不動様の右手には 「蚕玉大神」などもあり、近くに猫神がある。ほかに蛇神も

> くつかある。
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>
> Chikayoshi Kitamura (NIAS/MAFF) kitamura@affrc.go.jp
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