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11月28日付けの日本農業新聞に、群馬県繭糸技術センターが、上州座繰りの7回目の
養成講座を開いた。これまでに全国から87人が受講した。修了者から「座繰り器を所
有したい」という要望が多かったため、県内織機製造業者らが復元に取り組んだ。と
いう記事が載りました。これに関連して、今朝の朝日新聞1面の「天声人語」に次の
ような記事が載りました。

群馬県が赤城座繰り糸の技術者養成に乗り出した。会場を訪ねた。座繰り製糸が機械
化に駆逐されなかったのは、養蚕農家の女達が機械にかけられないくず繭を手で引い
て家族のきものを織ってきたからだ。かつて「赤城の節糸」「おばやん糸」と呼ばれ
た座繰り糸が、この数年引っ張りだこという。高速回転で糸を巻き取る機械製糸とち
がって、手でゆっくり引いた糸は空気を含んで軽く、光沢があり、引き手それぞれの
豊かな表情をもつ。明治の一時期、座繰り糸はヨーロッパに輸出されたと聞いた。繊
細な風合いが愛されたのだ。座繰りの後継者が次々に育って再び世界へ。艶やかな糸
の束に、ふと、そんな夢を見る。

Chikayoshi Kitamura (NIAS/MAFF) kitamura@affrc.go.jp