シルク・ミュージアムを中核としたネットワーク構築のお誘い

 わが国の各地には、蚕糸に関係する資料館、博物館が点在しています。かつての活動を記録しているもの、今もその地域で行われている養蚕から織物を作るまでの工程を展示するもの、地域の活性化の中心となっているもの等、その目的は少しずつ違っていても、文化と技術を伝えていこうという思いは共通しているように思われます。
 
一方、近年、生活にゆとりと潤いを求める都市住民を中心に、自分たちで糸を紡ぎ、機を織り、草や木を使って思い思いの色に染めたりしているグループや個人の方があちこちにおられます。しかし、材料の繭が手に入りにくくなった、どこに行けば手に入るのかわからない、といった悩みももっておられるようで、時々問い合わせがあります。また、青少年の科学離れが指摘されていますが、高校教育の現場では、これまで生物実験に使っていたカイコの入手が困難になってきており、これからの生物教育をどうしようかと悩んでおられる先生方からの問い合わせもあります。
 
このような状況を踏まえると、蚕−糸に関心ある人たちのネットワークを作ることが、こうした悩みを解決する一つの方策ではないかと思われますし、資料館、博物館等がポータルサイトになっていただけると素晴らしいことだと思われます。
 
また、蚕糸・昆虫農業技術研究所では、平成13年度から独立行政法人農業生物資源研究所として新たな活動を始めますが、その中では岡谷、松本を中心に、豊かなヒューマンライフを支える多様な生活資源の開発とそれを可能にする特徴あるカイコの育成研究を、これまで以上に強化していきます。ここでも、生産者と生活者と研究者をつなぐネットワークが大きな力を発揮することが期待されます。
 
以上のような想いを込めて、全国の蚕糸資料館、博物館等を中核としたネットワーク構築のお誘いをさせていただきます。取りあえず、ネットワークの目的を、@日本各地に点在する蚕糸関係の資料館・博物館等の情報交換を行い、それぞれの地域の生活者とのつながりをより密なものとする、A全国で展開されている絹文化の一層の発展のための情報交換を行う、Bカイコ・シルクを素材とした生物教育、科学教育の中核となるための情報交換を行う、C試験研究機関で行われる多様な生活資源開発のための研究に生活者ニーズを反映させると共に研究成果をベースに地域独自のものに発展させるためのアンテナショップ的役割を果たす、とさせていただきます。手始めに、岡谷において第1回のサミット開催を計画しました。当日ご意見をいただき、目的等について改めて検討してゆきたいと思います。趣旨にご賛同いただき、多数のご参加によって強固なネットワークができることを祈念いたしましてご案内とさせていただきます。

  2000年12月1日 蚕糸・昆虫農業技術研究所 所長 井上 元   


シルク・ミュージアム・サミット 2001

1.日時  2001年3月8日(木)13:40〜3月9日(金)10:30

2.場所  岡谷市南宮 諏訪湖ハイツ

3.日程
  1日目 13:40 開会
          主催者挨拶 蚕糸・昆虫農業技術研究所長 井上 元
          来賓挨拶 岡谷市長
          基調報告 蚕糸・昆虫農業技術研究所企画連絡室長
                『サミット開催の経過と目的について』
          記念講演 西尾敏彦氏((財)日本特産農産物協会理事長)
                『地域に根付く伝統技術と文化』
          基調講演 嶋崎昭典氏(市立岡谷蚕糸博物館名誉館長)
                『絹の文化』
          事例発表 4ヶ所程度を予定
          意見交換 (司会:蚕昆研企画連絡室長)
                『今後の方向について』
      17:00 閉会
      18:00 懇親会
  2日目 9:00 各地の活動事例報告
      10:00 まとめ
      10:30 解散
      (オプションツアー)
              市立岡谷蚕糸博物館 他
      12:00 オプションツアー解散(岡谷駅)

 主催 農林水産省蚕糸・昆虫農業技術研究所
 共催 岡谷市・岡谷市教育委員会
 協賛 製糸技術研究会
 協力 岡谷蚕糸博物館紀要協力会

     (事務局 蚕糸・昆虫農業技術研究所 製糸技術研究チーム)