各地の事例報告−2−
群馬県立日本絹の里
(群馬県群馬町)

日本絹の里副理事長 町田 睦

 群馬県にあります群馬県立日本絹の里でございます。私は財団法人群馬県蚕糸振興協会で副理事長をしております。施設は、県でつくりまして、管理、運営、企画等は私どもの団体に県から委託されているということでございますので、団体で管理、運営しているということでございます。ですから、私の方から説明させていただきます。
 先ず、若干絹の里の概要を申し上げたいと思います。私どもの絹の里につきましては純粋なミュージアムを目指したということではありません。群馬県は御承知のように全国1の養蚕県であるわけでございます。現在でも繭の生産高は全国の4割強、生糸につきましても35%相当のシェアを占めておりまして、全国1位ということであります。ご承知の通り絹も非常に減産になっているわけであります。そうした中でどうしても群馬県としては養蚕というものを群馬県から無くすことはできないということから、維持するだけではなく、さらに上向きの発展をさせたいということから、群馬県の知事さんが旗を振りまして、そういったためには振興センターのような施設をつくるべきだということで、日本絹の里を約10億ちょっとばかりかけまして造ったのであります。造りましたのは2年半前で、平成10年の4月にオープンしたわけですが、その翌月の5月に天皇・皇后両陛下が早速ご覧になったということであります。
 主な事業の内容ですが、先ほども申し上げましたように、これからの養蚕振興をはかるということから、いろいろな事業をやっております。そして私どもの団体もその中に入っておりますので、展示資料だけではなく、我々の団体の振興事業、すなわち養蚕関係の補助事業も基金12億をもってやっております。その部分域を活用いたしまして、養蚕事業の補助事業を実施しておりますが、そういった事業のほかに機織り、染色、繭クラフトの体験をやっております。それから、古いものの資料はもちろんのこと、最新の技術等についての展示等もやっております。また、蚕糸団体の交流の場所としても活用されているといった状況であります。
 展示館その他ももっておりますが、今写っているのは本館でございます。本館は2階建て鉄筋コンクリートになっているわけですが、一番上に昔の養蚕農家、群馬特有かどうかわかりませんが天窓という窓の開く換気口ですね、それがつく建物をイメージして作っております。右手のほうに展示館がございまして、本館が880平米ですが、展示館は600平米あります。こちらのほうに養蚕が日本に入ってきた歴史から最近の技術等を紹介するという展示場になっております。オープンした当時は、56,000人くらい入館者があったわけですが、養蚕の衰退に合わせた形で、ずっと右肩下がりで今現在入場者が少なくなってきているということでございます。ただ、先ほど申し上げましたように体験学習ができるということもありまして人数そのものはあまり多くないのですが、毎日来館者があります。資料の中に紫色の日程表が入っておりますが、毎月いろいろなことをやっているわけですが、午前と午後に分けてやっています。約20名ずつ体験学習を受け入れてやっています。午前20、午後20ということで、また空欄になっているのは友の会というものがうちの方にあるわけですが、その友の会の会員は自由に使ってよろしいということで、繭クラフトあるいは染めもの、特に染物が多いのですが、会員同士で誘い合ってこられまして自主的に講師がいなくてもやっているというシステムで現在活動をしています。
 それから、企画展示につきましては、春と秋の年間2回、大きなイベントとしてやっています。その他にも図録というようなものも発行しております。他にも企画展と比べれば若干落ちる程度の展示ですが特別展を4回程実施しています。そういったものとは別に4回ほど図録を組んでやっています。年間10回ほど切り替えして、催し物をやっているということでございます。企画展、特別展と関連いたしまして、展示に関係する講習会や研修会などやっております。この間も「絹をまとった人形展」ということで特別展示をやりましたけれど、3回ほど人形芝居の実演をやったわけですが非常に人気がありまして1回で入りきれなくて、3連の部屋をぶち抜いてやったのですが入りきれないので、廊下の方からも見ていただいたというような状況です。
  来年13年度の行事予定を幾つかご紹介いたしますと、企画展としまして4月12日から始める予定で現在すすめておりますが、「群馬のシルクロード展」というものを現在計画しております。またこれの関連事業といたしましてはシルクロードについての講演会、さらに群馬のシルクロードを巡るバスツアーを計画しております。秋の企画展といたしましては、9月14日から予定しておりますが、今年はイタリア年ということで、イタリアの文化を日本に紹介するということで全国的に各県各市町村などでいろいろ取り組んでおりますけれど、私どもとしましてもイタリア関連の行事をやろうということで、「明治初期の蚕糸交流イタリア展」ということを計画しています。明治のはじめ頃、群馬県のお蚕の蚕種屋(たねや)さんがイタリアの方まで売りに行ったり、またイタリアの商人が群馬県の足利や横浜へずいぶん来まして、群馬の種を全部向こうへもっていったり。その時に、群馬のいろいろな資料や物を持ち帰っているのですね。それらは向こうのブレッシャという博物館にありますので、それをお借りしてこちらに持って来て、さらに群馬県でも蚕種屋さんがイタリアから相当いろいろなものを持ち帰ってますので、それらを合わせた形で展示して皆さんに見てもらうということで「明治初期の蚕糸交流イタリア展」として9月に予定をしています。また、これはまだ話をしている段階ですけれど、来年の春には皇居の御養蚕展をやろうということで、現在宮内庁と話を進めております。やることは決定しましたのですが、いく日かはまだ最終的には決定しておりません。そのような話題性をもった展示をやろうということでいろいろ苦労をしているというのが実態です。
 それから、私の方で、平成12年度に、目新しいというか、大変人気がありましたのは「ぐんま蚕糸大学」というもので、連続講座を開きました。8月から12月までやりまして、1日に2講座ずつやっておるのですが50名を予定して募集をしましたところ140名の受講者がきまして、急遽定員を80名に増やして実施したという経緯があります。講座の中身としましては、蚕糸業の歴史、最近のシルクをめぐる情勢、蚕糸の関係、染色、糸紡ぎ、絹真綿、座繰りの実演や実習、製糸の講義、織物実演、江戸小紋の実演や実習、着物の着付け、などの講座でやりました。たいへん人気がありまして、近県にもたいへん反響があったようで県外からもかなり受講者が来ました。東京から3名、埼玉1名、栃木1名、長野県が1名、福島県が2名、群馬県が地元ということで70名ほど受講者があったということで大変人気がありました。
 もう1つ講習会としまして草木染めとか単発で2時間コースをやっておりますが、それとは別に「真綿づくりから織物まで」というような実技講習会を開催いたしました。月に2回ほどやりまして4回連続の講座でございます。1つは最初に繭から真綿をつくるということ、染色して糸を紡いで織物にする。織物といっても簡単なコースターですけれど、繭から織物までやる。これはたいへん人気がありまして、相当抽選で落としたということで、また是非やってくれということで、4月早々すぐやる予定でおります。
 それからうちのほうで友の会、他のところでも友の会はあるかと思いますが、これも毎年いろいろな行事をやっております。県外の見学会あるいは友の会だよりの発行、県内の糸跡(史跡)めぐり、友の会の作品展、シルクショップなども友の会でやっております。年間1,600万位まで、100品目ほどやっておりますが、これは中国産とか海外のものは扱わないということで県内産又は国内産だけを扱って販売をしております。それから、ボランティア制度というものがありまして、現在約120名ほど登録しており、染色、機織り、繭クラフトなどの指導員のアシスタントをやっていただいてます。展示のほうも正規の職員はなるべく手を出さないで、お客さんが来たらボランティアの方が展示解説をするということです。また、絹の里全体は広いものですから、環境整備ということで除草や染料草などを栽培管理をしていただいています。このようなことをやっているわけであります。パンフレットがございますので後ほど見ていただきたいと思います。以上でございます。