(神奈川県相模原市)

相模田名民家資料館

住所:神奈川県相模原市田名4853番2(大杉公園隣り)(〒229)

開館時間/開館日:10:00〜17:00(4月〜10月)、10:00〜16:00(11月〜3月)/木・金・土・日の週4日間(祝祭日については休館する場合もあるので事前の問い合わせが必要)

入場料:無料(1階和室の利用については事前に予約が必要)

案 内:『相模田名民家資料館と覚明学舎跡』(館内に掲載の館長挨拶より転載)
 明治、大正、昭和初期と約70年の間、横浜開港と同じくして、生糸は米国を始め欧州各国への輸出の花形であり、全国各地に養蚕は盛んになり、水田の無い相模原地方では現金収入を求めて各農家では養蚕に力を入れていた。中でも田名では産業組合が中心になり、製糸事業が盛んであった。組合では地区内に二ヶ所の製糸工場を建て、農家の子女をして従事させて雇用の面でも一石二鳥の役割を果たした。また各農家でも足踏座繰機にて生糸を生産して生活にうるおいをもたらしたのである。大正、昭和初期、上溝の市を賑わしたのも生糸の取引が大きく貢献したことは言うまでもない(大正13年の県下組合の貯金高が田名産業組合が抜きんでていたのもこの証左といえる)。
 当時、田名の農家の90%が養蚕にたづさわり、蚕にかかわる話は尽きる所がないほどである。これらの業績を後世に伝えんものと祖先が残した財産、三栗山の収益金を基金として資料館を建設したのである。
 そしてこの地を選定したのは、隣の大杉公園は田名小学校の前身である覚明学舎および田名村役場のあった所であり、田名行政文化の発祥の地といわれた。明治29年田名小学校は現在地に、田名村役場は現在出張所公民館駐車場の所へ移転したといわれる。
 田名小学校100周年記念事業に地域から収集した貴重な資料も提供して頂き展示した所以のものです。
 二階は展示室に、一階は「かたりべの館」とし、また生涯学習の場として大いに活用していただきたいものです。

館長 松上寛一

2階展示室(さらに上の階に、蚕飼育のスペースが見える)

その他の情報:Tel 0427-61-7118 問い合わせ先・田名出張所(Tel 0427-61-0056)
 田名は、江戸時代中頃から昭和初期まで大山参詣の宿場町として大山街道の重要な拠点であり、街には新田作りのための水路が縦横に走っていたことから“水郷田名”の名で知られています。民家資料館から県道54号(相模原愛川線)をしばらく行くと、相模原市立相模原ふれあい科学館があり、水郷田名にある施設らしく、全長113キロの相模川を科学することができます(相模川にみたてた全長40メートルの水槽には相模川に生息する約40種の魚達が、上流、中流、下流とわけて展示されています)。


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