(長野県岡谷市)

照光寺蚕霊供養塔

住所: 長野県岡谷市本町2−6−43

案 内: 蚕霊供養塔は、城向山照光寺の石段下にあります。昭和9年(1934)建立の木造銅板葺多宝塔造りとなっています。平面が6尺7寸(約2m)四方、高さが37尺(11.2m)、基壇5尺(1.52m)、組物三手先、と書かれています。棟梁は、大隅流石田房茂(叶ホ田組4代目)で、「蠶霊塔」の扁額は、金剛流御詠歌流祖、曽我部俊雄大僧正の筆とあります。

毎年4月29日には、蚕霊供養祭が営まれます。僧侶の読経に混じってご婦人達の御詠歌が流れます。蚕霊供養御詠歌では「糸を吐き まゆを結びて世のために 死をかえりみぬ 虫ぞ貴き 南無大菩薩 南無大菩薩」と詠われます。蚕霊供養和讃では「仮命頂礼金剛界 智差別門の大日尊 野山にしげる草も木も 葉末にすだく虫にだに 偲ばるるさへ貴きに 桑の一葉に足を知り 四度眠の夢さめて 精進うまず糸を吐き 尊き虫の魂に 篤き供養を捧げつつ 永久の解脱を願はなむ 南無蚕霊大菩薩」と詠われます。

その他の情報: TEL:0266−22−2314 供養塔のある城向山照光寺は新義真言宗智山派に属し、本山は京都智積院です。現本堂は天明8年(1788)に焼失後寛政4年(1792)に再建されています。大工の棟梁は大隅流始祖、柴宮長左衛門矩重であったことが知られています。先代住職の宮坂宥勝名古屋大学名誉教授は、インド哲学が専攻で、現住職の宮坂宥洪氏もインド哲学者であり、そんな関係から照光寺はチベット仏教とも深いつながりがあります。


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