作物研究所

作物見本園

ニホンハッカ

日本薄荷、和種ハッカ

日本ハッカ「日本ハッカ」

英名: Japanese peppermint
科名: シソ科
学名: Mentha canadensis var. piperascens
種類: 香料、薬用

起源

地図
洋種ハッカは南欧、和種ハッカは東アジア各地に自生している。わが国へは1817 年(文化14年)に岡山県で導入・試作され、明治20年北海道に導入された。

作物的特徴

宿根草で、白い地下茎で旺盛に繁殖する。温暖で排水良好な埴壌土に適し、酸性土は不適である。夏、枝に沿って小さい白紫花が咲く。開花完了時に収穫するが、収穫前が、晴天・多照に推移すれば薄荷油質は向上(メレトンがメント-ルに移行)する。 葉をもむと、 さわやかな香りがする。葉には油が1.5-4.0%含まれ、主成分メントールは70-90%である。セイヨウハッカはメントール含量が少ないが香りや甘みがある。チュ-インガムに用いられるのは 、スペアミント種と呼ばれる種類(M. spicata L.)で成分はカルボン(carvone)である。

用途

水蒸気蒸留によって薄荷油を抽出し、さらにこれを冷却して再結晶させハッカ脳と呼ばれる複合結晶(主成分はl-メントール)を得る原料に用いられる。これらは食品用、生活用品、タバコなどの香料として、また医薬品用(ハッカ油・ハッカ脳とも薬局方に収載されている医薬品である)としても用いられている。食品分野では、昔ながらの菓子、飴などの香料としての用途が代表的である。

生産地

和種ハッカの主産地は戦前は日本で、昭和14年には北海道で2.2万ha栽培され 、卸油780トンで世界の生産量の80%を占めたが、近年は化学工業的に合成されたメントールにシェアを奪われ、生産が減少し、網走管内では紋別郡滝上町札久留地区などで現在も数軒の農家が生産を続けている。現在の主産地はブラジルであり、最近は中国で栽培が盛んである。 洋種ハッカの主産地は19世紀にヨ-ロッパからアメリカに移った。

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