農村工学研究所

農村工学研究所メールマガジン

メールマガジン第18号(2011年9月号)

東日本大震災の復旧・復興支援状況については、ホームページに開設した特設サイトでお知らせしています。

目次

1)トピックス

■台風12号被災地に職員3名を派遣 -奈良県、和歌山県-

台風12号は大型で動きが遅く、紀伊半島では8月30日17時からの総降水量は広い範囲で1000ミリを超える記録的な大雨となりました。農業用施設にも甚大な被害を及ぼしたことから、9月9日に、近畿農政局より農工研に対して災害支援の要請がありました。

そこで、9月14日~15日に、農工研の防災担当職員の中から3名(中里上席研究員、渡嘉敷主任研究員、正田研究員)を奈良県(大迫ダム)と和歌山県(ため池、農道等)の災害現場に派遣し、被災の原因調査を踏まえ、応急対策や復旧方法の留意点について助言しました。

企画管理部 防災研究調整役 鈴木尚登

(関連資料)http://www.naro.affrc.go.jp/nkk/mail_magazine/files/mm18_01-01.pdf

2)技術なんでも相談

■ゴム堰を維持管理する場合の技術課題を教えて下さい(第2回)

匿名希望

●お答えします。

水利工学研究領域基幹施設水理担当
上席研究員 高木強治

ゴム堰(ゴム引布製起伏堰)には維持管理の容易性などのメリットがあるため、1965年頃から導入され、あちこちで見られるようになってきました。ただし、ゴム堰特有の問題があることを理解しておく必要があります。

今回は、堆砂問題を取り上げ、農工研で実施した水理模型実験を素材に解説します。

(関連資料)http://www.naro.affrc.go.jp/nkk/mail_magazine/files/mm18_02-01.pdf

3)水土里のささやき

■復興への長い道のりの途中で -地震津波原発事故の三重苦-

福島県S様

この度の震災に当たり、全国から沢山の応援、激励を頂き誠にありがとうございました。また、福島県内の方々は、共にこの難局を乗り越えなければなりません。なが-い道のりですが、必ずゴール出来ます。ゆっくりでいいと思います。前を向いて共に歩きましょう。

私どもの土地改良施設は、地震による一部損壊、津波による大規模破損を受けました。震災日(3月11日)からゴールデンウイークまで、私は直営で、土地改良施設の調査、点検整備、応急仮工事に明け暮れました。それ以降は、粛々と震災関係を中心に仕事をこなしています。

「がんばろう東北」は、生真面目な東北人にはきつく、馴染まないと思います。「がんばろう東北」は、東北を応援してくれる人々の合い言葉であり、「取り戻そう元気な東北」が率直な心境です。「震災がなくても頑張っていたのに、震災があってもこれ以上は頑張れないのに、粛々とこなすだけだよ。これ以上頑張っても体を壊すだけだよ。今まで頑張っていなかった人は頑張ってよ。」という気持ちは6ヵ月経っても変わりません。

当土地改良区の復興には3年かかると思っています。気の長い話ですが、焦っても仕方がないので、着実に確実にこなしていきます。被災者になって感じることは、元どおりの「あはは、おほほ・・・」の平凡な生活に早く戻りたいということです。全国から沢山の支援が来ているようですが、お金や物資も必要ですが、復興する夢をみるお手伝いが一番かな。

とにかく、この震災で、当土地改良区の組織体制、施設などの弱点が浮き彫りなりました。そのことを整理し、弱点を克服していくことを最優先に仕事を前に進めていきます。皆様も、お体には十分に気を付けてお過ごし下さい。次回は、何が何でも明るいニュースをお届けしたいと思います。

4)最新の「農工研ニュース」より

■畑地かんがいによる土壌風食の抑制 -散水時期の推定方法-

畑地における土壌の風食は古くて新しい問題です。貴重な作土が消失するだけでなく、周辺の生産・生活・自然環境の悪化を招くなどの被害をもたらしています。関東・甲信地域では3月頃、北海道では4月ないし5月頃に風食が問題になります。そのため、カバークロップを導入し、地域の風食対策としている事例も見られます。

土壌の水分状態も土壌風食の被害量に密接に関わります。そのため、畑地かんがいには風食被害の抑制効果が見込まれています。そこで、気象庁が観測し公表しているアメダスデータの風速に注目し、関東ロームにおける風食被害の発生と土壌水分の関係を実験から求めました。散水時期の検討にお役立て下さい。

農地基盤工学研究領域畑地工学担当
主任研究員 宮本輝仁

(関連資料)

5)農村工学研究所の動き

■東日本大震災への技術支援 -防災週間行事-

東日本大震災と技術支援の内容を分かり易く伝えるため、防災週間(8.30-9.5)に合わせて、8月30日から9月30日の間、つくば農林団地内の「食と農の科学館」において資料展示を行いました。

被災状況とそのメカニズム、対策技術等をポスターやDVDで分かり易く公開するとともに、災害に強いため池工法を模型で紹介しました。来場者からは、災害の規模の大きさを再認識した、復興に向けて頑張ってほしい、といった意見が多く寄せられました。

企画管理部 防災研究調整役 鈴木尚登

(関連資料)http://www.naro.affrc.go.jp/nkk/mail_magazine/files/mm18_05-01.pdf

■平成23年度インターンシップ講習生(第二、三期)のつぶやき

第二期(8月22日~9月2日)技術講習生12名、第三期(9月5日~9月16日)技術講習生4名の実習が終了しました。彼らが社会人になっても、農村工学分野との関わりの中で、彼らを応援していきたいと思います。感想文から一部を紹介します。

技術移転センター 移転推進室 交流チーム長 高梨典子

(関連URL:感想)

6)農村の草花

■幼き日のママゴト遊びの懐かしい草 -イヌタデ-

秋の日差しの中、野辺でママゴト遊びした思い出をお持ちの方は多いのではないでしょうか。ご飯に見立てて「アカマンマ」としてよく用いられたのがイヌタデの花穂でした。このイヌタデ、実は本当に食用となることを知っていますか。続きは以下の関連資料でご覧下さい。

農村基盤研究領域資源評価担当主任研究員嶺田拓也

(関連資料)http://www.naro.affrc.go.jp/nkk/mail_magazine/files/mm18_06-01.pdf

7)研究者の横顔

■吉田武郎(よしだたけお)

今回紹介するのは、現在イクメン中、マラソン多数出場、元気ハツラツがモットーの水文のエキスパート吉田研究員です。国内に限らず東南アジアを舞台に活躍中です。地球温暖化による洪水や水需要の変動など、農村の安全と食料生産に欠かせない評価技術の開発に日夜取り組んでいます。(他己紹介:松島健一)

(自己紹介)http://www.naro.affrc.go.jp/nkk/mail_magazine/files/mm18_07-01.pdf

8)編集後記

農工研メルマガの配信開始から1年半が過ぎ、18号の発行を迎えました。慣れない作業の連続でしたが、会員皆様からの叱咤激励に支えられてここまでやってこられました。一方、東日本大震災の発生から半年が過ぎました。農工研メルマガは被災地に寄り添いながら、共に未来へ向かって一歩一歩前に進んでいきます。

これまで事務局を担当して参りましたが、9月末をもって農工研を離れることになりました。新しい勤務先では真っ先に会員登録変更を済ませ、積極的に意見や要望を投稿する読者になりたいと思います。農工研メルマガと会員皆様の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。

農工研メルマガ編集事務局
情報広報課長 古澤祐児


【編集発行】

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(独)農業・食品産業技術総合研究機構 農村工学研究所
企画管理部 情報広報課 Tel:029-838-8169

※「農工研メルマガ」へのご意見・ご要望等、研究に対する要望やアイデアを募集しています。なお、差し支えなければ農工研メルマガ「水土里のささやき」コーナーにて掲載させて頂きます。

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