農村工学研究所

農村工学研究所メールマガジン

メールマガジン第40号(2013年7月号)

目 次

1)トピックス
■「ため池ハザードマップに関する講習会」を開催しました
2)水土里のささやき
■平成25年度 農村工学基礎技術研修を終了して
3)最新の「農工研ニュース」より
■畑地におけるメタン発酵消化液の肥料効果と環境影響
4)研究ウォッチ
■米国の作物学会・農学会・土壌科学会の共同情報誌(CSA News)を通じて研究成果を世界に発信
5)農村の草花
■夏の水辺に揺れる特徴的な葉のあの植物は救荒植物 ~ミゾソバ~
6)研究者の横顔

■唐崎 卓也(からさき たくや)
7)お知らせ
■技術2013のweb版が完成

1)トピックス

■「ため池ハザードマップに関する講習会」を開催しました

平成25年度「ため池ハザードマップに関する講習会」を2回にわたって(5月29日から31日、6月26日から28日までの各々3日間)防災研究棟内で開催しました。本講習会は、24年度「新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業」(緊急対応研究、農水省)によって(株)ジー・アンド・エスとの共同研究でバージョンアップされた「ため池DBハザードマップによる簡易氾濫解析ソフト」の操作技術習得のために開催したものです。

第1回目は既存のユーザーを、2回目は新規ユーザーを中心に併せて41道府県の防災担当職員と土地改良連合会職員74名に受講していただき、氾濫解析演習を通してハザードマップ作成手法を学んで頂きました。


企画管理部 防災研究調整役 鈴木 尚登

(関連URL)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/40/01-01.pdf

 

2)水土里のささやき

■平成25年度 農村工学基礎技術研修を終了して

群馬県西部農業事務所
丸橋 安香里様

5月13日~7月5日の間、農村工学基礎技術研修を受講しました。講義では、農業土木の基礎から、これからの農業農村整備を支える技術や施策といった最新のことまで幅広く学ぶことができました。また、講義だけではなく、水理実験、コンクリートの強度試験などの実習も充実しており、実際に見て、触れて、そして、なぜこのような結果になったのかを考えたことで、より理解を深めることができました。

受講生は9人と少ない人数ではありましたが、勉強で解らないところを教え合い,レポート作成や実習を協力して行ったことで結束力がうまれ、勉強も自由時間もとても充実して過ごすことができました。私ごとではありますが、研修の最終日には、8週間ともに過ごした仲間との別れが寂しくて泣いてしまいましたが、研修で学んだことを活かして、今この瞬間も、みんな一緒に頑張っていると思うだけで、私自身の励みになっています。

最後になりますが、こんなにも楽しく研修を受講できたのは、講師の方々や研修生、そして農工研の皆様のご尽力のおかげだと思います。本当にありがとうございました。

 3)最新の「農工研ニュース」より

■畑地におけるメタン発酵消化液の肥料効果と環境影響

メタン発酵は家畜ふん尿などからエネルギー(再生可能エネルギー)を取り出す技術ですが、メタンを取り出した後に残る液体の処理・利用が問題となっています。肥料成分を含んでいる消化液を液肥として利用することにより、資源の有効利用やメタン発酵施設の運転コスト削減(消化液の浄化処理と比較して)が実現できます。

しかし、消化液を不適切に液肥利用した場合には、肥料効果が発揮できないだけでなく、環境負荷を増大させることになります。そこで、消化液の特徴を整理し、消化液を畑地で利用する際の留意点をとりまとめました。

資源循環工学研究領域 資源循環システム担当主任研究員
中村真人

(関連資料)
(1)農工研ニュース第85号
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/40/03-01.pdf
(2)この研究成果をもっと深く理解するための8つのQ&A
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/40/03-02.pdf
(3)これまでの研究成果をまとめた小冊子「メタン発酵消化液の畑地における液肥利用-肥料効果と環境への影響-」
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/40/03-03.html
(4)消化液散布作業の様子動画(30秒)
[Windows Media Player]
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/40/03-04.avi
[QuickTime]
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/40/03-04.mpg

 

 4)研究ウォッチ

■米国の作物学会・農学会・土壌科学会の共同情報誌(CSA News)を通じて研究成果を世界に発信

畑地工学担当では、各種のバイオマス資材が農地に投入された時、農地基盤として問題が生じないかどうかという視点で研究を行っています。その研究成果の一部が、米国土壌科学会が出版する国際誌、Soil Science Society of America Journalの2013年1-2月号に掲載され、また、米国の作物学会・農学会・土壌科学会の共同情報誌であるCSA Newsでも取り上げられました(記事の翻訳を関連資料として載せました)。

論文の内容は、エタノール廃液を農地に過剰に散布した時に、微生物は増殖するのか、透水性は低下しないかなどについて検討したものです。エタノール廃液に含まれる栄養分により増殖した微生物やエタノール廃液中の懸濁物などにより、土壌間隙の閉塞が起こり、水・物質移動に影響を及ぼすことが分かりました。

サトウキビの糖蜜を原料としたバイオエタノールを1リットル製造すると、10~20リットル前後の廃液が排出されます。そのため、エタノール廃液の処理は、バイオマス資源の有効利用と循環型社会の構築に向けて、世界中の研究者が取り組むべき課題の一つとなっています。


 農地基盤工学研究領域 畑地工学担当上席研究員 宮本 輝仁

(関連資料 CSA Newsの翻訳)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/40/04-01.pdf
 

 5)農村の草花

■夏の水辺に揺れる特徴的な葉のあの植物は救荒植物 ~ミゾソバ~

梅雨も明け、いよいよ夏本番を迎えました。今夏も暑い日々が続く中、水辺を覆うように生え茂る「牛の顔」のような葉を見かけたことはありませんか。ミゾソバは、その名のとおり水辺に生えるソバの仲間で、かつて飢饉のときなどにはソバの実のように利用していたことを知っていましたか。

農村基盤研究領域 資源評価担当主任研究員 嶺田拓也

(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/40/05-01.pdf

 

 6)研究者の横顔

■唐崎 卓也(からさき たくや)

今回は、やさしい笑顔と「むらづくり活動」への熱い思いを兼ね備えた地域計画担当の唐崎卓也さんです。みなさん、旅行するときには、研究の対象としてだけでなく、プライベートでも農産物の直売所をこよなく愛用する唐崎さんに、お勧めの直売所を教えてもらいましょう!
(他己紹介:浪平 篤)

(自己紹介)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/40/06-01.pdf

 

 7)お知らせ

■技術2013のweb版が完成

Webを通じて農研機構全体の技術紹介を行っている「技術2013のweb版」の編集が完了しました。以下の農研機構HP・研究成果パンフレットのページには、農工研由来の技術もご確認頂けます。是非、ご覧下さい。

(関連URL)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/40/07-01.html

 

問合せ先
農村工学研究所技術移転センター移転推進室 寺村
Tel:029-838-8296 Fax:029-838-7680
E-mail:iten[@]ml.affrc.go.jp
※メールを送信する際は[@]の[]をとってください。

 
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