研究代表者氏名及び所属
深津 武馬(独立行政法人 産業技術総合研究所 生物機能工学研究部門)
研究実施期間
平成20年度~24年度(5年間)
研究の趣旨・概要
非常に多くの昆虫類が恒常的に微生物を体内に共生させ、1つの生物のような複合システムを構築する。このような「内部共生」という現象は、害虫化、寄主植物特異性、高温耐性、新規食物資源の利用など、新たな生物機能の獲得に重要な役割を果たしてきた。しかし、共生微生物の多くは培養できないため、通常の微生物学や遺伝学の技術が通用せず、その機能解析は従来困難をきわめるものであった。
本研究課題では、近年のゲノム解析技術の発達及び廉価化、そして世界をリードする我々の昆虫?微生物に関する研究実績を背景に、昆虫類内部共生系の機能生物学、進化生物学、ゲノム科学の最先端の知性と技術を結集して、興味深い性質や機能を有する昆虫共生細菌の全ゲノム解析、昆虫共生器官において発現する遺伝子群のEST解析、およびそれらのゲノム情報を駆使した共生細菌の高度な生物機能の解明に包括的に取り組む。
研究項目及び実施体制(()は研究担当者)
- 共生細菌のゲノム解析
(放送大学 二河成男、産業技術総合研究所 深津武馬) - 昆虫共生器官のEST解析
(農業生物資源研究所 野田博明、産業技術総合研究所 深津武馬) - 昆虫-微生物共生系の機能解析
(産業技術総合研究所 深津武馬)
期待される成果、効果
農業害虫防除、新規昆虫制御標的の開発、病原細菌制御などに資する基盤技術。