生物系特定産業技術研究支援センター

SIP

第2期 スマートバイオ産業・農業基盤技術

SIP第2期 スマートバイオ産業・農業基盤技術の活動状況と成果

「食」のサステナビリティを統合的に実現する「スマートフードシステム」を構築することにより、 「食」関連産業を循環経済に転換し、地球的規模の持続的成長=サステナビリティの実現に貢献します。

戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期「スマートバイオ産業・農業基盤技術」では、スマートフードチェーンプラットフォーム、「食」に関わる「開発」「生産」「加工・流通」「販売・消費」「資源循環」の各ステージを最適化する最先端の技術の開発に取り組んでいます。 2018年から5年間の計画で研究開発を進め、得られた成果を社会実装することにより、

  1. 農業現場の効率化・農業経営の強化
  2. フードロス・フードウェイストの削減
  3. 高付加価値食材・食品の開発
  4. 輸出による一次産業の発展
  5. 農産物の未活用部分の資源化

などを通じて、日本の食産業の維持・発展に貢献することを目指しています。 本課題は計画の後半に入り、今後は成果の社会実装に一層力を入れていきます。

食の持続性

研究開発の概要

1 スマートフードチェーンプラットフォーム

食関連データ・情報の利活用基盤

「食」に関わる多様なデータ・情報を連携させながら活用できる「スマートフードチェーンプラットフォーム」を開発しています。
ITベンダー等が活用し、食品の高度品質保証、共同物流による効率化、需要予測による食品ロス削減など、データ連携による様々なサービス提供が可能になります。

2 育種の効率化

データ駆動型育種、精密ゲノム編集

育種データの取得・解析を容易にするとともに、遺伝子型と形質の関連モデルに基づき育種戦略を立案できるデータ駆動型育種プラットフォーム、効率的かつ高精度なゲノム編集を行える技術、DNAフリーのゲノム編集技術を開発しています。
これらの技術を活用することで、育種事業者は、市場が求める品種を短期間で的確に育成できるようになります。

3 農業生産のスマート化

知能化農機、データ駆動型生産

遠隔監視により無人でほ場間移動し(自動走行レベル3)、作付・作業計画などのデータに基づき作業を行う知能化農機、気象、土壌などのデータと生育・出荷予測システムの活用により、生産性向上と廃棄ロスの削減を実現するデータ駆動型生産技術を開発しています。
農業生産者がこれらの技術を活用することで、オペレーションの少人数化、廃棄ロスの削減により 収益を向上できます。

4 食によるヘルスケア産業創出

食・マイクロバイオーム・健康情報統合DB等

健常者の食・健康情報、腸内マイクロバイオームを統合したデータベースを構築し、公開します。さらに、心身の不調と食習慣の相関を解明することで、「軽度不調」の評価指標・評価システムを開発しています。健康機能性表示食品・食材の開発、データヘルス・健康経営支援市場等への参入が可能となります。
さらに、創薬や検査・診断ビジネスを展開している企業が、本データベースを各種疾患の比較標準データとして活用することも期待されます。

5 農業未利用資源の利活用

C6糖供給技術、高機能バイオマテリアル

非可食農業残渣から化学工業の基幹物質であるC6糖を30円/kgで供給する技術、そのC6糖から高機能なバイオプラスチックを製造する技術を開発しています。
地域に賦存するアグリバイオ資源の活用を考えている企業・自治体等が農業生産者や化学企業と連携して活用することで同資源の高付加価値化、ひいては地域振興に役立てることができます。

パンフレットPDF

パンフレット表紙

スマートバイオ産業・農業基盤技術
中間成果と社会実装イメージの紹介(2021年3月)

パンフレットのダウンロードはこちら(PDF 2.48MB)

過去の研究課題

過去の研究課題についてはこちらをご覧ください。

関連情報