品種詳細

べこあおば

水稲「べこあおば」は東北中南部以南での熟期が中生の晩に属する粳種である。耐倒伏性が強く直播栽培にも適する。また乾物重が安定して高く、耐肥性に優れるため東北地域向け稲発酵粗飼料専用品種として利用できる。

主要特性

「べこあおば」は、大粒で多収の「オオチカラ」と多収の「西海203号」を1996年に交配し、その後選抜固定を図ってきた飼料イネ系統である。

  1. 出穂期は、育成地では“中生の晩”に属し「クサユタカ」よりも2日程度早く、黄熟期は「クサユタカ」よりも7日程度早い。稈長は「ふくひびき」と同程度かやや短い短稈で、耐倒伏性に優れている。
  2. いもち病真性抵抗性遺伝子は“Pita-2”と推定され、圃場抵抗性は葉いもちが“やや弱”、穂いもちが“弱”である。耐冷性は“弱”であり、穂発芽性は“やや易”である。
  3. 黄熟期におけるTDN収量は「クサユタカ」に劣るが、「ふくひびき」、「夢あおば」よりも1割程度多い。玄米収量は「クサユタカ」並の多収であり、玄米は千粒重が約30gの極大粒で一般品種との識別性がある。
  4. 直播栽培で苗立は「ふくひびき」に劣るが、「クサユタカ」、「夢あおば」より優れ、耐倒伏性は「クサユタカ」、「ふくひびき」よりも明らかに優る。
  5. 地際から15cmの高さで刈取りした際の収穫損失率は移植、直播栽培とも稈長の長い「クサユタカ」、「夢あおば」と大きな差はない。
  6. 堆肥を多量施用した極多肥条件においても倒伏せずに耐肥性に優れる。黄熟期乾物重は窒素吸収量が高いほど多い。
出願番号
(出願日)
公表日 登録番号
(登録日)
育成者権の存続期間
18662
(2005年8月11日)
2006年3月 7日 16610
(2008年3月17日)
25年
(満了日:2033年3月17日)
交配組み合わせ 旧系統名
オオチカラ x 西海203号 奥羽飼387号

品種の利用許諾について