品種詳細

恋初めし

「きぬむすめ」より収穫期がやや遅い"やや晩生"で多収の良食味水稲新品種です。収量は、「きぬむすめ」と比較して、2割程度多収です。玄米千粒重は24g程度で、やや大粒です。穂いもちと縞葉枯病に強い特長があります。多収性を活かし、業務用としての利用が期待されます。

主要特性

  • 多収で良食味の「あきだわら」と、穂いもちと縞葉枯病に強く、良質・良食味の「中国201号(後の「恋の予感」)」を交配して育成した品種です。
  • 西日本で多く栽培されている「きぬむすめ」と比較すると、育成地(広島県福山市)では出穂期は3日ほど、成熟期は5日ほど遅くなります。業務用に適する品種として広く栽培されている「あきだわら」と比較すると、出穂期は6日、成熟期は5日遅くなります。「きぬむすめ」と比較すると、稈長は同等で、穂長は長く、穂数はやや少なく、草型は"偏穂重型"です。
  • 育成地における収量は、約690kg/10aで、「きぬむすめ」と比較すると2割程度多収で、「あきだわら」とほぼ同等です。西日本を中心とした地域で実施した奨励品種決定調査では、ほとんどの試験で地域の対照品種(「日本晴」、「ヒノヒカリ」など)より多収であり、平均で13%ほど多収です。玄米千粒重は「きぬむすめ」、「あきだわら」より3gほど重く24g程度です。玄米品質は「きぬむすめ」並です。
  • 食味は、「日本晴」と比較すると明らかに良好で、「きぬむすめ」に近い良食味です。
  • 穂いもちに強く、縞葉枯病に抵抗性を持ちます。また、トリケトン系4-HPPD阻害型除草剤には抵抗性を示します。
出願番号
(出願日)
公表日 登録番号
(登録日)
育成者権の存続期間
33003
(2018年4月 5日)
2018年8月14日 29398
(2022年9月 6日)
25年
(満了日:2047年9月 6日)
交配組み合わせ 旧系統名
あきだわら/恋の予感 中国218号

栽培適地

西日本を中心とした地域です。

栽培上の留意点

  • 高温登熟耐性が "やや弱"のため、登熟期が高温となる地域や作期では白未熟粒が増加し、玄米品質が低下するおそれがあります。
  • 耐倒伏性が"やや強"で、多収品種としてはやや不十分ですので、極端な多肥は避けてください。
  • 白葉枯病にやや弱いため、常発地では防除を徹底して下さい。