品種詳細

朱雀錦(すざくにしき)

「朱雀錦」は、「横野」に310-24(「羅田甜柿」×「太秋」)を交雑して育成した紅葉専用品種です。採葉時期が既存の紅葉専用品種より遅く、落葉時の葉の着色は優れており、濃い赤色です。

主要特性

  • 樹勢はやや弱く、樹姿は開張性です(表1)。
  • 育成地(広島県東広島市安芸津町)における展葉期は「丹麗」および「錦繍」とほぼ同時期で、雌花、雄花、両全花が着生し、雌花は少ないです。
  • 果実の甘渋性は不完全渋ガキです。肉質は粉質で、脱渋後の品質が優れないため、生食用としては適しません。
  • 採葉開始期および落葉期は「丹麗」より1週間程度遅く、「錦繍」より4日程度遅いです(表1)。採葉期間は「丹麗」より長く、「錦繍」と同程度です。落葉時の葉色は濃橙赤から濃赤茶で(表1)、黄色みが強い「丹麗」に比較して赤みが強い紅葉が得られます(表2、図1)。
  • 葉の強度が高く、加工用途を想定した包み適性が優れることから、紅葉した葉を用いた新たな加工品への利用が期待されます。

表1 カキ「朱雀錦」の育成地における特性
表2 カキ「朱雀錦」の育成地と奈良における葉の色彩測定値図1 カキ「朱雀錦」の葉

出願番号
(出願日)
公表日 登録番号
(登録日)
育成者権の存続期間
26070
(2011年6月23日)
2011年10月 7日 23899
(2015年3月 3日)
30年
(満了日:2045年3月 3日)
交配組み合わせ 旧系統名
横野×310-24(羅田甜柿×太秋) カキ507-54

栽培適地

奈良県農業総合センター果樹振興センターで紅葉特性を評価した結果、良好な紅葉が得られました。地域適応性は十分に明らかになっていませんが、カキの紅葉利用を目的とした栽培地域において利用が期待されます。