品種詳細

津之望(つののぞみ)

年内に収穫でき、食味の良いカンキツ新品種「津之望(つののぞみ)」を育成しました。隔年結果性が低く、連年安定生産が容易な品種です。

主要特性

  • 樹勢は中程度、樹姿は直立性と開張性の中間で、枝梢は太く、長く密生します。12月中下旬に成熟する早生のカンキツ品種です。露地栽培で果汁の糖度は12%程度と比較的高く、減酸は早い品種です。「アンコール」に類似した芳香があり食味に優れています。
  • 果実は平均190g程度、果形は扁球形です。果皮は橙色で、厚さは約2.4mmで薄くて軟らかく、剥皮は比較的容易です。また浮皮はほとんど発生しません。果肉は濃橙色で、肉質は軟らかくて果汁量は多く、じょうのう膜は薄くて軟らかく、食べやすいのが特徴です。
  • 種子数は少なく、食べやすい品種です。なお、小さな不完全種子は多く入ります。花粉の多い品種を混植すると、種子数が増加します。
  • 結実性は良好で、隔年結果性が低く、連年安定生産が容易です。
  • そうか病には強く、かいよう病に対しては中程度の抵抗性があります。また、ステムピッティングの発生はみられません。
  • 年内に成熟しますので、わが国のほとんどのカンキツ栽培地帯に適します。

表1「津之望」の樹勢及び果実特性

表1「津之望」の樹勢及び果実特性の続き

果実
果実

結実状況
結実状況

出願番号
(出願日)
公表日 登録番号
(登録日)
育成者権の存続期間
25000
(2010年7月12日)
2010年9月15日 20788
(2011年5月24日)
30年
(満了日:2041年5月24日)
交配組み合わせ 旧系統名
清見×アンコール カンキツ口之津37号

栽培適地

年内に成熟しますので、わが国のほとんどのカンキツ栽培地帯に適します。

農林認定品種(旧:命名登録品種)

登録番号:みかん農林18号

登録年月日:2012年03月

育成担当者

松本亮司、吉岡照高、山本雅史、國賀 武、奥代直巳、吉永勝一、山田彬雄、高原利雄、三谷宣仁、浅田謙介、稗圃直史、今井 篤、池宮秀和、内原 茂、深町 浩、村田広野、野中圭介