品種詳細

Mi29SRR

飼料用トウモロコシの親品種「Mi29SRR」(エムアイニジュウキュウエスアールアール)は、九州での早晩性が"中生の早"の自殖系統で、南方さび病抵抗性が強く、採種性に優れています。南方さび病抵抗性の一代雑種(F1)品種の親として利用できます。

主要な特徴

「Mi29SRR」は「Mi64」の優性の南方さび病抵抗性遺伝子を近傍のDNAマーカーによる選抜と圃場での南方さび病罹病程度によって選抜しながらMD系列(F1を作成するときの組合せ特性が同じ系統群)自殖系統「Mi29」に戻し交配した「Mi29」の同質系統です。
育成地の調査では、

  1. 絹糸抽出期は「Mi29」と同じで、九州での早晩性は"中生の早"です。
  2. 稈長、着雌穂高、一列粒数、百粒重は「Mi29」と同程度です。粒列数は「Mi29」よりやや少ない品種です。子実収量は採種性に優れる「Mi29」並、隔離圃場における放任受粉下での採種量は43.6 kg/aで採種性は高い品種です。
  3. 「Mi29SRR」の南方さび病抵抗性は「Mi29」の"極弱"に対して"強"です。「Mi47」とのF1組合せ「ゆめちからSRR」は、「Mi29」と「Mi47」のF1組合せ「ゆめちから」より明らかに南方さび病抵抗性が強く、「ゆめちから」に比べて稈長や収量に影響を受けにくい品種です。「Mi29SRR」を親にして南方さび病抵抗性F1組合せを作出できます。
  4. MF系列との組合せ能力は高い品種です。春播き栽培では、MF系列自殖系統「Mi114」とのF1組合せ「さとみどり」は早生で多収、「Mi29SRR」を片親とする単交雑F1組合せの平均乾物収量は同じ早晩性の普及品種と同程度以上の水準にあります。

活用面・留意点

  1. 南方さび病抵抗性の飼料用トウモロコシF1品種の親として利用できます。
出願番号
(出願日)
公表日 登録番号
(登録日)
育成者権の存続期間
31025
(2016年4月 8日)
2016年7月27日 28321
(2021年1月26日)
25年
(満了日:2046年1月26日)
交配組み合わせ 旧系統名