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9月水曜会(第669回)御案内

情報公開日:2011年9月20日 (火曜日)

今回は獣医師 関 令二 先生をお招きして、家畜衛生における消毒についてのご講演を行っていただきます。
参加希望者の事前登録は不要、当日参加も可能です。多数のご来聴をお待ちしております。

-水曜会幹事-

日時

平成23年9月28日(水曜日) 13時30分~

場所

(独)農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所 講堂
茨城県つくば市観音台3-1-5 (交通案内/会場案内(建物3))
Tel.:029-838-7707(企画管理部 業務推進室 交流チーム)
Fax.:029-838-7907

内容

座長: 山根 逸郎(動衛研)

家畜衛生における消毒のあり方を考える (60分)

○ 関 令二 (獣医師)

「消毒は消毒薬によるもの」と考えやすいが、消毒以前の問題が基本。多くの病原体は畜舎回りの環境中に残存し、舎内に持ち込まれる。この対策として畜舎回りの整理整頓、排水の整備・乾燥等、飼育環境の改善が大切。
殺菌消毒剤を用いた消毒では、殺菌消毒剤の効果を過大評価し、「これまで通り、使い慣れた殺菌消毒剤を撒いておけばよし」とする「思い込み的、惰性的な使い方」が多い。
このことは家畜生産者だけではなく、獣医師、家畜衛生研究者についても同じことが言える。獣医消毒学と言える体系的な研究のない中で、個々の病気の専門家、研究者による記述、指導が「専門家が奨めるのだから・・・」と受け取られやすい。
口蹄疫ウイルス(FMDV)、高病原性鳥インフルエンザウイルスなど、もし万一発生がみられたならば一刻も早く清浄化させてしまわなければならない病原体と、鶏貧血ウイルス、大腸菌などのようにほぼ常在しているものの汚染レベルを下げ、例え感染しても被害を少なくしようとする病原体では、その対応は違うべきで、前者は「滅菌、もしくは滅菌レベル」、後者は「消毒」。
特にFMDVのように宿主体外に排出後、環境内での残存性の強いウイルスの日本国内への持ち込みは汚染国とのヒト、モノとの関わり、すなわちfomitis;人、車両、飼料その他(接触感染による媒介物)によるものと考え、初発生時の対応は「滅菌」とし、消毒薬、消毒資材、消毒手法についても、若干の危険があったとしても、できる限り厳しいもの(ウイルス減弱価:RF3以上)としなければならない(初発生後の行政対応;疫学調査時の車輌消毒・1車輌1現場限定とし、使用後のホルマリンガス燻蒸または乾熱滅菌消毒、検査担当者のシャワー消毒など)。
消毒の3原則は「濃度」、「時間」、「温度」とされているが、畜産現場では消毒面の汚染レベルが高いことから、「pH・水素イオン濃度」を加え、4原則とし、更に言うならば「より低い濃度で、消毒液温が低くても、より短時間で消毒効果が得られるような手法」を求めるべきで、その手法として消毒液のpH調整アルカリ化法を奨める。

消毒の4原則の一つ、pH調整アルカリ化法は細菌、真菌、ウイルスなどほとんどすべての病原体の生存に適したpH域はほぼ中性であり、酸性化、もしくはアルカリ化することによって殺不活化性が強まること、一方、消毒薬の多くは酸性化、もしくはアルカリ化によってその効果が高まるものであるということが基本となっている。
pH調整アルカリ化に用いる資材である苛性ソーダ、炭酸ソーダ、石灰類(消石灰)のpH特性を知り、用法として承認された範囲で動物用殺菌消毒剤に添加使用する。
pH調整アルカリ効果を示す内外の研究データと、現在我々が行っている消毒資材である消石灰と殺菌消毒剤(動物用医薬品)との組み合わせ実験成績を明らかにする。

法人番号 7050005005207