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水曜会(第689回)

情報公開日:2015年3月17日 (火曜日)

日時

平成27年3月20日(金曜日)13時30分~

場所

(独)農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所 講堂
茨城県つくば市観音台3-1-5 (交通案内/会場案内(建物3))
Tel: 029-838-7707(企画管理部 業務推進室 交流チーム)
Fax: 029-838-7907

今回の水曜会は、今年度退職される2名の方の特別講演を予定しております。
参加希望者の事前登録は不要、当日参加も可能です。皆様のご来聴をお待ちしております。

特別講演

座長:津田 知幸(動衛研)

Histophilus somniに関する研究を振り返って

○田川 裕一(動衛研 細菌・寄生虫研究領域長)

動物衛生研究所での研究生活を終えるにあたって、これまで主として取り組んできた牛病原細菌Histophilus somniに関する研究を振り返ってレビューしてみようと思う。野外での一症例との遭遇からこの病原細菌との長い付き合いが始まったが、これまでに多少なりとも分かってきたこと、まだ分からないことなどについて考えながら、話してみたい。

MycoplasmaMycobacterium

○森 康行(動衛研 細菌・寄生虫研究領域長補佐)

Mycoplasma hyopneumoniae (Mhp)とMycobacterium avium subsp. paratuberculosis (Map)、 二つの病原体が38年間もの長きに亘って勤務した家畜衛試-動衛研での主な研究対象であった。属名の接頭語が同じと言うだけで病原体としての共通性は何もないが、両者とも培養に時間がかかることが似ている点かもしれない。最初に配属された製剤研究部細菌製剤研究室で与えられた研究テーマは、Mhpの感染による豚マイコプラズマ肺炎の抗体検査法の開発であった。Mhpはマイコプラズマの中でも人工培養が難しい種であった為、培養成功の報告があったのは1965年、その後いくつかの診断法が報告されているような状況だった。そこで、既報の抗体検査法の検証から始め、最終的には新たな補体結合反応(CF)用抗原を開発し、診断薬として製品化もされた。その後、Mhpの病原因子等の解析を目的として、モノクローナル抗体を作製し、それらの中に免疫原性の高いp46抗原に対する抗体、あるいは本菌の発育を抑制する抗体を見出し、前者はCFに代わる抗体検査に現在も利用されている。
一方、ヨーネ病の原因菌であるMapについては、感染牛におけるサイトカイン産生の解析、培養法の改良、モノクローナル抗体の作製、遺伝子検査法の開発等を行ってきた。Map感染牛の感染初期に無刺激のPBMCから炎症性サイトカインが産生される現象、あるいはMapのリポアラビノマンナンに対するモノクローナル抗体の作製等いくつかの成果はあったが、それらをヨーネ病の発病機構の解明や新たな診断法へ繋げることは結局出来なかった。唯一ヨーネ病の研究成果として実際に役立っているのは、ヨーネ病の遺伝子検査法を開発し実用化できたことかと思われる。

法人番号 7050005005207