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水曜会(第707回)

情報公開日:2018年7月18日 (水曜日)

今回の水曜会は、新規採用職員の西森朝美研究員による一般演題と、小倉弘明部門長によるご講演の2演題を予定しております。
参加者の事前登録は不要、当日参加も可能です。皆様のご来聴をお待ちしております。
なお、今回の水曜会は都合により火曜日開催となっておりますので、ご注意ください。

日時

平成30年7月24日(火曜日)13時30分~

場所

国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究部門 講堂
茨城県つくば市観音台3-1-5 (交通案内/会場案内(建物3))
Tel: 029-838-7937(企画管理部 企画連携室 交流チーム)
Fax: 029-838-7907

内容

座長:真瀬 昌司(動衛研)

BLV感染症の制御を目的としたウシ用抗体医薬の開発と有効性検討 (30分)

○西森 朝美 (農研機構 動物衛生研究部門 ウイルス・疫学研究領域 疾病防除基盤ユニット(仮配属))

牛白血病ウイルス(BLV)はレトロウイルス科に属し、ウシのB細胞に持続感染して、長い潜伏期間を経てB細胞性リンパ腫(地方病型牛白血病: EBL)を引き起こします。一部のヨーロッパ諸国では、BLVの清浄化を達成しEBLの発生を抑えていますが、日本を含む多くの国々においてはBLV感染症の蔓延とそれに伴う畜産業への影響が問題となっています。現在、BLV感染症に対する有効なワクチンおよび治療法はなく、新たな制御法の開発が大きな課題です。
本発表では、演者が大学院で行ったBLV感染症の新規制御法開発に関する研究を紹介します。免疫抑制因子の1つであるProgrammed death-1(PD-1)は、そのリガンドPD-ligand 1(PD-L1)と結合することでT細胞の機能を抑制し、癌や慢性感染症において主要な免疫回避機構として機能することが知られています。先行研究から、BLV感染症の病態進行にPD-1およびPD-L1の発現上昇が関与すること、特異抗体を用いた結合阻害により、in vitroで末梢血単核球が再活性化することが明らかになりました。そこで、抗ウシPD-L1抗体の生体内における有効性の検討を目的として、抗体定常部の改変、高発現細胞の樹立、大量培養および精製を行い、BLV感染牛への投与試験を行いましたので、その結果について報告します。

座長:筒井 俊之(動衛研)

動物検疫所の概要と課題 (30分)

○小倉 弘明 (農研機構 動物衛生研究部門 部門長)

わが国の動物検疫の取組は明治の中頃に本格化。その組織は数次の見直しを経て、昭和27年に動物検疫所として分離独立。業務内容は設置法で 1)家畜伝染病予防法、狂犬病予防法などに基づく輸出入される動物や畜産物の検査、 2)国内発生に備えた防疫資材の備蓄、 3)委託を受けての動物その他の検査(病性鑑定)などが掲げられていて、所属する家畜防疫官は 4)緊急時の国内防疫支援の役割も担っている。
組織定員は、最近の訪日外国人の増加などもあって拡充、増員され、本所(横浜)、8支所、16出張、4分室の体制で家畜防疫官の定員はこの秋460名になる。
家畜伝染病予防法の関係では、口蹄疫など重要疾病の発生地域からの動物、畜産物の輸入は禁止。その他指定検疫物の場合は輸出国政府機関の伝染病の病原体を拡げるおそれがない旨の証明書の添付が必要とされ、近年、その証明内容は2国間で衛生条件として定められている。輸入時はこれらの書面と現物、動物の場合はけい留して検査が行われるが、広報等による一般旅客への制度の周知、相手国の衛生状況を踏まえた衛生条件の設定や輸入時の検査対応などより的確な検疫対応、着地場所の都道府県との連携が課題となっている。

法人番号 7050005005207