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自然共生型農業研究シンポジウム2018

情報公開日:2018年8月 9日 (木曜日)

趣旨

これからの農業には化学農薬や化学肥料の削減を通した人間や環境に対する安全性の向上が強く求められている。また、国際競争力のある「攻めの農業」を展開するためには、経営コストを削減しつつ、農産物の安定供給や収量・品質の改善、減農薬を進める必要がある。即ち、石油化学に由来する物質・エネルギーの投入を最小限にした条件下で国際競争力と持続性のある農業生産技術の開発が求められている。これらの課題解決は、従来の古典的な農業技術の概念では対応が困難であり、問題解決のためには新しい視点に基づく研究や技術開発が必要である。

近年の土壌微生物研究の進歩から土壌や作物に生息する微生物の種類や量の詳細な分析が可能となり、土壌や作物の病原微生物の診断やモニタリングが飛躍的に容易となった結果、病害防除のための農業環境の衛生管理体制の合理化も大きく進めることが可能となりつつある。実際に地理的に大規模なスケールでの土壌病害の診断や疫学的研究が既に国内外で実施され始め、農業現場に役に立つ土壌微生物分析技術のロールモデルとなる研究事例も出始めている。

また、栽培場所の光環境が根粒菌や菌根菌等の有用微生物の植物への共生に強い影響を及ぼすことも明らかにされ、光環境の制御を通した有用微生物の農業利用という新たな可能性が切り開かれつつある。このような研究は従来の農業・農学にはない光の価値についての農業生態的な理解を進め、「光」をキーテクノロジーにした新たな農業技術の創出につながるものである。

さらに、内閣府の主催する戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)において光、微生物、有機物等の活用による病虫害防除研究が推進され、日本発の光や有機物の利用による病虫害防除技術が開発されている。同時に、これらの基礎科学的な知見に基づいた国内の減農薬栽培や有機栽培の科学的な推進、そのための技術開発や商品開発、サービスの提供などの農業現場に向けた利用環境も整備され始めている。

従来まで化学農薬や化学肥料の削減に関する議論は主に人の健康科学と環境問題との関係においてなされてきた。しかしながら、近年急速に発展したフィールドメタボロミクス研究において有機質肥料や堆肥等の有機物施用を通した土壌管理の違いが、栽培中の作物体の化学成分や収穫した農産物の品質・「おいしさ」等に強い影響を与えることが示唆され始めている。これらの知見を利用すれば、減農薬や減化学肥料、農産物の高品質化を目的とした「科学的な土づくり」や「作物・農産物の健康診断」、栽培環境の最適化に関する技術開発が可能になりつつあると考えられる。

本シンポジウムでは、内閣府の主催するSIP(「次世代農林水産業創造技術」・『持続可能な農業生産のための新たな総合的植物保護技術の開発』)における農薬を使わない「ジャガイモそうか病防除のための新規栽培体系の開発」ユニットの5年間の研究成果を紹介する。同時に、上述のような研究を活発に展開している先進的な研究者を招待し、化学物質に依存しない最新の病害防除や微生物制御技術等の知見を紹介する場を提供する。

日時

平成30年10月22日(月曜日) 10時00分~17時00分(開場:9時15分~)

場所

つくば国際会議場 3階 中ホール300

(茨城県つくば市竹園2丁目20-3 電話 : 029-861-0001)

主催

農研機構北海道農業研究センター

対象

持続的農業・農業関連の環境問題に興味を有する市民・生産者、都道府県職員、市町村職員、農業団体職員、農業改良普及指導員、農林水産省、内閣府、公的機関および民間の研究者等

参加費

シンポジウム : 無料

情報交換会 : 5,000円

参加定員

シンポジウム : 300名

情報交換会 : 100名

申込締切

シンポジウム : 平成30年10月15日(月曜日)

情報交換会 : 平成30年10月8日(月曜日)