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持続的農業研究セミナー2018

情報公開日:2018年11月 2日 (金曜日)

趣旨

これからの農業には化学農薬や化学肥料の削減を通した人間や環境に対する安全性の向上が強く求められている。また、国際競争力のある「攻めの農業」を展開するためには、経営コストを削減しつつ、農産物の安定供給や収量・品質の改善、減農薬を進める必要がある。即ち、石油化学に由来する物質・エネルギーの投入を最小限にした条件下で国際競争力と持続性のある農業生産技術の開発が求められている。これらの課題解決は、従来の古典的な農業技術の概念では対応が困難であり、問題解決のためには新しい視点・発想に基づく研究や技術開発が必要である。

地球温暖化などの環境変動による乾燥・高温障害の発生は、作物の成長や収量の低下など、北海道においても大きな問題となりつつある。これまでに、植物の環境ストレス耐性を強化する方法として育種や遺伝子組み換え技術が検討されてきたが、人や環境に優しい化合物の利用による植物へのストレス耐性強化技術の開発も重要な課題である。近年の植物科学分野の基礎研究成果から、低分子のアルコールや有機酸の作物への施用により夏季の乾燥・高温障害を軽減できる可能性が示唆され、冷涼な気候を好むジャガイモやタマネギ等の作物の高温障害軽減を通した生産性向上のための実用化技術の開発が期待される。

また、減農薬・脱農薬のための害虫防除技術としては、天敵生物の活用が良く知られているが、それらの従来技術では道内の施設栽培でも大きな問題になっているアザミウマやコナジラミのような微小害虫類に対して実用化に耐え得る防除技術の開発は困難であった。このような背景の中で、近年の光生態学的な害虫防除研究から栽培場所の光環境や農業資材の色彩が上記のような難防除性の微小害虫行動に強い影響を与えることが明らかにされ、光と色を活用した新たな病害虫防除技術の開発への期待が高まりつつある。

持続的農業技術の開発においては植物共生微生物の機能の解明と利用も重要な課題の1つである。共生微生物の視点からの農産物の品質やおいしさに関する科学的解明や持続的農業技術の開発は、ワインのテロワールの解明に象徴されるように世界的にも大きな注目を受けつつある。国内でも長いもやイチゴのような農産物の品質やおいしさの科学的解明のような従来の農学研究では扱うことが困難とされてきた課題に挑戦する研究が増えつつある。

本セミナーでは、内閣府の主催するSIP(「次世代農林水産業創造技術」・『持続可能な農業生産のための新たな総合的植物保護技術の開発』)における農薬を使わない「ジャガイモそうか病防除のための新規栽培体系の開発」チームの5年間の研究成果を紹介する。同時に、上述のような研究を活発に展開している先進的な研究者を招待し、持続的農業技術の開発につながる研究を道内の農業関係者に紹介することを目的とする。また、持続的農業の理想的な形態の一つである有機農業に関して国内外の俯瞰的知識を有する有識者を招いて当該分野の動向や現場技術の紹介を頂き、持続的農業に関する議論の場の提供も行う。

日時

平成30年12月5日(水曜日) 13時05分から16時55分 (開場 12時45分から)

場所

とかちプラザ 2階 視聴覚室

(住所)〒080-0014 北海道帯広市西4条南13丁目1

(電話) 0155-22-7890

主催

農研機構北海道農業研究センター

対象

持続的農業に興味を有する市民・生産者、都道府県職員、市町村職員、農業団体職員、農林水産省、公的機関及び民間の研究者等

参加費

セミナー : 無料

情報交換会 : 5,000円

参加定員

セミナー : 160名

情報交換会 : 30名

申込締切

セミナー : 平成30年11月28日(水曜日)

情報交換会 : 平成30年11月21日(水曜日)